4六銀はガンガン攻められる!矢倉における4六銀、3七桂型の攻め方とは【第96回 矢倉の崩し方】

4六銀はガンガン攻められる!矢倉における4六銀、3七桂型の攻め方とは【第96回 矢倉の崩し方】

ライター: 一瀬浩司  更新: 2019年07月06日

今回のコラムも、矢倉で1筋の端歩を突き合っている形で4六銀、3七桂型から攻めていく指し方を解説していきます。それでは第1図です。

【第1図は△3五歩まで】

いま、▲3五銀△同銀▲同角と3五の地点で銀交換になったあと、△2四銀▲6八角△3五歩と進んだ局面です。前回のコラムでは、ここから▲3三歩と打ち、△同桂▲同桂成△同金寄▲2五歩として攻めをつなげていきました。しかし、後手陣が厚くなり、どうもうまくいきませんでしたね。

直接3五の歩を狙っていこう

今回はもうひとつの攻め方を見ていきましょう。やはり、3五の歩を目標にしていく手ですが、今度は▲4六銀(第2図)と直接狙っていきます

【第2図は▲4六銀まで】

第2図から△6四角なら、▲5五歩と突いて角筋を止めます。△5五同歩なら、▲3五銀△同銀▲同角△3四歩▲6八角△2四銀のとき、今度は二歩あるので、▲1二歩△同香▲1三歩と連打することができて、△同香▲同桂成△同銀▲1八香打(第3図)のように、ガンガン攻め続けていけます。

【第3図は▲1八香打まで】

やはり、歩が一枚と二枚では、全然攻めの威力が違ってきますね。

△3四金には▲3三歩と攻めよう

では、第2図から△3四金と3五に駒を足して受けるのはどうでしょうか? ▲3五銀からすぐに攻めていきたいところですが、△同銀▲同角△同金▲同飛△2四角で先手がイマイチな感じです。単純に攻めて勝てれば話は早いのですが、なかなかそううまく事は運びませんね。△3四金には▲3三歩(第4図)がよいでしょう。

【第4図は▲3三歩まで】

△4三金には、そこで▲3五銀とすれば、△同銀▲同角△同金▲同飛のとき3三の拠点が大きく、これは後手潰れですね。△3一歩としても構わず▲3二金と打てば△1二玉に▲1三歩△同桂▲2一銀まで後手玉は詰みますし、△3三桂と歩を払ってきても、▲同桂成△同角▲3四歩△2四角▲3三銀でこれも攻めきれますね。

よって、第4図からは、△3三同桂と取ってきますが、▲同桂成として角、金、銀のいずれで取ってきても▲2五桂が厳しい追撃(△同銀、△同金引には▲2五桂に代えて▲3五銀とするのもあり)になります。一例として、△3三同角▲2五桂△4二角には、▲1五香△同香▲3三歩(第5図)で、△3一金や△4三金はやはり3三の拠点が残るので、▲3五銀とぶつけていけばよいです。

【第5図は▲3三歩まで】

第5図で△3三同銀ならすぐに取る手もありますが、▲3五銀△同金▲同角、△3三同金引も、▲3五銀△同銀▲同角が厳しいですね。△3三同金上は▲同桂成△同玉にそこで▲3五銀と出れば、△同銀▲同角△同金▲同飛で1五の香も取れそうな形なので、攻めがつながります。また、第4図に戻りますが、△3三同桂▲同桂成△同角▲2五桂のとき、△同銀と取るのは▲同歩で▲3五銀と出る手が残っており、これも先手よしとなります。

第1図から▲3三歩も先手イマイチな展開となりましたが、今回の▲4六銀はわかりやすく攻めていくことができました。

矢倉の崩し方

一瀬浩司

ライター一瀬浩司

元奨励会三段の将棋ライター。ライター業のほか、毎月1回の加瀬教室や個人指導など、指導将棋も行なっている。主なアマチュア戦の棋歴としては、第34期朝日アマチュア将棋名人戦全国大会優勝、第63回都名人戦優勝などがある。

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阿部光瑠

監修阿部光瑠六段

棋士・六段
1994年生まれ、青森県弘前市出身。2011年4月に四段。2013年に第2回電王戦でコンピュータソフト・習甦(しゅうそ)と対局し、快勝。 2014年の第45期新人王戦で優勝。居飛車、振り飛車ともに指すオールラウンドプレイヤー。
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