3三歩一見調子よく手は続いていくが...矢倉における4六銀、3七桂型の攻め方とは【第95回 矢倉の崩し方】

3三歩一見調子よく手は続いていくが...矢倉における4六銀、3七桂型の攻め方とは【第95回 矢倉の崩し方】

ライター: 一瀬浩司  更新: 2019年07月02日

矢倉の崩し方

今回のコラムも、矢倉で1筋の端歩を突き合っている形で4六銀、3七桂型から攻めていく指し方を解説していきます。それでは第1図です。

【第1図は▲6八角まで】

いま、▲3五銀△同銀▲同角と3五の地点で銀交換になったあと、△2四銀▲6八角と進んだ局面です。前回まで、第1図から△3四歩と受けてくる手を見てきました。▲1三歩や▲3三歩と攻めてみましたが、一気の攻略は難しいということになりました。ですが、銀が持ち駒にあることは大きく、相手の攻撃陣へのけん制にもなりますので、ひとまず先手満足ということでしたね。

3五歩と打ってきたら?

ところで、第1図で△3四歩と受ければ急な攻めはなかった。ということは、もうひとつ上の3五に歩を打ったほうが、角筋も止めているしよりよいんじゃないの? と思われるかもしれません。今回は△3五歩(第2図)と打ってきたらどうなるのか? 

【第2図は△3五歩まで】

そちらを見ていきましょう。まず、▲3五同角ですが、△同銀▲同飛△3四歩で、まったくもって攻めになっていませんね。ですが、歩が3五になったことで先手の目標ができたともいえます。

有力な手段は二つ

有力な手段は二つありますので、順に見ていきましょう。まずは▲3三歩(第3図)です。

【第3図は▲3三歩まで】

一見、△3三同桂▲同桂成△同金寄で後続がなさそうですが、▲2五歩と突き出し、△同銀に▲3五飛(第4図)とすれば、△3四金には▲2五飛△同金▲3四桂がありますね。

【第4図は▲3五飛まで】

第4図から△3四銀には▲3九飛と引いておけば、次に▲3五歩△4三銀▲3四桂の狙いが残ります。それを防いで△3五歩と打っても、▲2六桂△2五銀▲3四歩△2四金▲3五角のような感じで攻めが続いていきます。

第4図からは△2四歩が最善でしょうが、▲3九飛と引いておけば、△1六歩の逆襲には▲2六歩△3四銀(△同銀や△1四銀は▲3四桂)▲1六香△同香▲3五歩△2三銀▲3四桂と調子よく攻められます。

また、▲3九飛に△3四歩は▲4六桂(第5図)と打つのがおもしろい手です。

【第5図は▲4六桂まで】

△4五歩には▲2六歩がありますし、△2三玉や△2三金上と受けてくるのも、▲3五歩△同歩▲1五香△同香▲3四歩で、やや無理な感じもありますが、攻めは続いていきます。

と、これで先手が成功と言いたいところですが、第5図からは△3五桂と打つ手があります。▲3六歩は△4七桂成ですし、▲3四桂△同銀▲3五角としても△同銀▲同飛△3四歩で受け止められてしまいます。

よって、第3図の▲3三歩は一見調子よく手は続いていきますが、どうもうまくいかないようです。

次回は、第2図から別の手段を見ていきましょう。

一瀬浩司

ライター一瀬浩司

元奨励会三段の将棋ライター。ライター業のほか、毎月1回の加瀬教室や個人指導など、指導将棋も行なっている。主なアマチュア戦の棋歴としては、第34期朝日アマチュア将棋名人戦全国大会優勝、第63回都名人戦優勝などがある。

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阿部光瑠

監修阿部光瑠六段

棋士・六段
1994年生まれ、青森県弘前市出身。2011年4月に四段。2013年に第2回電王戦でコンピュータソフト・習甦(しゅうそ)と対局し、快勝。 2014年の第45期新人王戦で優勝。居飛車、振り飛車ともに指すオールラウンドプレイヤー。
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