関西将棋会館での対局観戦や将棋界でのビジネスに関するプレゼンも。大学での「将棋講義」をご紹介

関西将棋会館での対局観戦や将棋界でのビジネスに関するプレゼンも。大学での「将棋講義」をご紹介

ライター: 山口絵美菜女流1級  更新: 2019年07月22日

関西の大学では初、日本将棋連盟との相互連携協定

4月下旬、公益社団法人日本将棋連盟と桃山学院大学は相互連携協定を締結しました。教育、学術交流をはじめとする連携・協定を図り、相互利益と発展を目的とした協定で、関東では昨年津田塾大学が締結しており、関西の大学では初の締結となります。

桃山学院大学には今年から経営学部ビジネスデザイン学科が新設されました。クリエイティブ力・高度なコミュニケーション力・やりぬく力の3つの力を身に着ける、新たなリーダーシップ教育を目指した学科で、日本将棋連盟を含む様々な企業と連携して授業を行っているのが特色の一つ。教養・文化科目にはなんと「将棋・囲碁」の科目が設けられ、私、山口絵美菜が今年の春から講師を務めています。

今回は桃山学院大学経営学部ビジネスデザイン学科での「将棋・囲碁」でどのような講義を行っているのかについてご紹介します!

「将棋・囲碁」の講義内容は?

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桃山学院大学の牧野丹奈子学長はなんと「観る将」。毎週日曜日はNHK杯将棋トーナメントを欠かさずご覧になっているとか。ビジネスデザイン学科に「将棋・囲碁」の講義を設けたのは「柔らか頭を育て」将棋を通した「高度なコミュニケーション能力を養う」ため。教養・文化科目には「将棋・囲碁」の他にも華道・茶道やイラストの講義もあり、いずれもビジネスにつながるという観点で選ばれた科目だとか。いずれも単位認定が行われる科目で、将棋は出席点・授業態度・プレゼンテーション・レポートを基準に評価をします。

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講師のお話をいただいたのは1年以上前のこと。私自身、大学を卒業してから幾ばくも無いので「講師が務まるだろうか」と不安もありましたが、せっかく推薦していただいたので挑戦してみようと思いました。桃山学院大学のキャンパスは大阪府和泉市にありますが、新設されたビジネスデザイン学科は本町にあるオフィスビルがキャンパス。来年秋には大阪市阿倍野区に新たな校舎(あべのキャンパス)が完成する予定で、2020年秋以降はそちらで講義が行われるそうです。

未経験者もぐんぐん上達!関西将棋会館への対局観戦も

「将棋・囲碁」の受講者数は18名。ほとんどが将棋未経験者で「駒の動かし方を知らない」もしくは「動かし方がなんとなくわかる」というレベル。15回の講義の中で1~3回目までは「将棋そのもの」の話を扱いました。駒の動かし方、反則、マナーや歴史について学び、講義後半には必ず学生同士の実戦の時間。初回では「もともと駒の動かし方を知っていた」学生と「今日初めて駒の動かし方を覚えた」学生では棋力差がありましたが、2回目の授業で玉を囲う大切さを扱い「囲い・戦型のまとめプリント」を配ると、ぐんぐんと上達する学生が増え、講義がない日にもアプリで将棋を指したり、詰将棋を解いたりしてくる学生が増えるという嬉しい状況に。講義中盤の4~6回目は「将棋界」がテーマ。棋士や女流棋士になる仕組みや対局・タイトル戦・スポンサーなどの話を盛り込みつつ、なんと実際に関西将棋会館に対局観戦にも行きました。

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最終課題は「将棋界でビジネスをするなら」

「将棋そのもの」そして「将棋界」と講義を進めてきましたが、最終的なゴールは「ビジネスデザイン」。今後の講義では「将棋界と事業」というテーマで将棋事業に取り組む地方自治体について取り扱うほか、将棋グッズや将棋イベントなど「将棋界で行われているビジネス」を紹介し、最終的には学生自身に「将棋界でビジネスをするなら」というテーマでプレゼンテーション及び企画書を作成してもらう予定です。

将棋そのもの、そして将棋界に初めて触れた学生の皆さんが、どんな視点で将棋を見るのか、そしてビジネスの切り口を見つけるのか、私自身とても楽しみにしています。

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これまで関東の大学を中心に将棋を講義に取り入れる取り組みが行われていましたが、今年から関西の複数の大学でも将棋の講義が始まりました。より様々な大学で将棋の講義が行われるようになるといいですね!

山口絵美菜女流1級

ライター山口絵美菜女流1級

1994年5月生まれ、宮崎県出身の女流棋士。2017年に京都大学文学部を卒業し、在学中に研究した『将棋の「読み」と熟達度』を足掛かりに、将棋の上達法を模索している。
将棋を覚えるのが遅かったため「体で覚えた将棋」ではなく「頭で覚えた将棋」が強くなるには?が永遠のテーマ。好きな勉強法は棋譜並べ。

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