▲3三歩から一気の攻めになる?矢倉における4六銀、3七桂型の攻め方とは【第93回 矢倉の崩し方】

▲3三歩から一気の攻めになる?矢倉における4六銀、3七桂型の攻め方とは【第93回 矢倉の崩し方】

ライター: 一瀬浩司  更新: 2019年06月25日

矢倉の崩し方

今回のコラムも、矢倉で1筋の端歩を突き合っている形で4六銀、3七桂型から攻めていく指し方を解説していきます。それでは第1図です。

【第1図は△3四歩まで】

いま、▲3五銀△同銀▲同角と3五の地点で銀交換になったあと、△2四銀▲6八角△3四歩と進んだ局面です。前回のコラムでは、ここで▲1三歩と垂らす手を見ていきました。△1三同香と取ってくれれば、▲同桂成△同銀▲1七香打と攻め続けられましたが、1筋は放置して△6四角と出られてどうもうまくいきませんでしたね。

▲3三歩は駒得か?

今回は別の手を見ていきたいと思います。第1図から、▲3三歩(第2図)と打つ手はどうでしょうか?

【第2図は▲3三歩まで】

銀、金、角で取るのは、いずれも▲同桂成と取っておけば桂との交換になるので、そこから一気の攻めとなると難しいところですが、駒得となる先手に不満のない展開でしょう。

よって、後手は△3三同桂と取ってきます。これにより、後手の端が弱くなりましたね。そこを突いて、▲1五香(第3図)と走ってみましょう。

【第3図は▲1五香まで】

第3図から、△1五同香なら▲1三銀と打ちます。対して△1三同銀なら▲同角成△2一玉▲1二銀までの詰みなので、△3一玉と逃げる一手です。そこで、▲2四銀成△同歩▲1三桂成(第4図)とすれば、次に▲2三銀や、▲3五歩△同歩▲同飛の狙いもあって、これは先手がうまくいった局面になりますね。

【第4図は▲1三桂成まで】

よって、第3図からは△1五同銀と取ってきます。これも、1三への利きが一枚減ったので、▲1三銀と打ち込んでいきたいところですね。後手は、今度は△1三同香と取っても▲同角成△2一玉で先手の持ち駒が香なので詰みはありません。しかし、▲3三桂成△同角▲2五桂となると、金を渡すと1二へ打たれて詰みなので、そこをついて先手にガンガン攻められてしまいます。

やはり1筋を突き合うと、一気の攻めは難しい

よって、やはり詰みはなくても△1三同香とは取れません。△3一玉とかわし、先手は▲1二歩と打っていきます。香を取り返せる形になり、これにて成功、と言いたいところですが、△3五香(第5図)と打たれるとどうでしょうか?

【第5図は△3五香まで】

▲1八飛と逃げますが、△2五桂が手順に1五の銀に紐がついてピッタリの手になりますね。これも、以前▲1五歩と突き越した形での失敗例でも出てきましたね。さらに進めてみますが、△2五桂に▲同歩は△1二香▲同銀成△1六歩とされておいても飛車と角が使いにくい形ですし、強く△2一桂と打たれても▲1一歩成は△1三桂▲1二と△2五桂、▲2四銀不成は△1二香▲1五銀△同香、▲2四桂は△1三桂▲1五飛△1二香(▲同桂成は△1五角)でいずれもうまくいきません。

やはり、この変化も1筋を突き合っているために後手が受けやすくなっており、一気の攻めは難しいですね。

一瀬浩司

ライター一瀬浩司

元奨励会三段の将棋ライター。ライター業のほか、毎月1回の加瀬教室や個人指導など、指導将棋も行なっている。主なアマチュア戦の棋歴としては、第34期朝日アマチュア将棋名人戦全国大会優勝、第63回都名人戦優勝などがある。

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阿部光瑠

監修阿部光瑠六段

棋士・六段
1994年生まれ、青森県弘前市出身。2011年4月に四段。2013年に第2回電王戦でコンピュータソフト・習甦(しゅうそ)と対局し、快勝。 2014年の第45期新人王戦で優勝。居飛車、振り飛車ともに指すオールラウンドプレイヤー。
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