銀桂交換はどっちがトク?矢倉における4六銀、3七桂型の攻め方とは【第81回 矢倉の崩し方】

銀桂交換はどっちがトク?矢倉における4六銀、3七桂型の攻め方とは【第81回 矢倉の崩し方】

ライター: 一瀬浩司  更新: 2019年04月02日

矢倉の崩し方

今回のコラムも、矢倉で1筋の端歩を突き合っている形で4六銀、3七桂型から攻めていく指し方を解説していきます。それでは第1図です。

【第1図は△3三同金上まで】

いま、後手が▲2五桂と銀取りに跳ねた手に構わず△1六歩と伸ばし、▲3三桂成△同金上と銀桂交換になったところです。

前回、前々回では、第1図から▲2五銀と打つ手を解説していきました。前々回では、△1七歩成と後手が成ってきたため、▲3五銀と出て先手がよくなりました。前回は、後手の修正案として△2四歩と銀取りに突き出す手をみていきましたが、▲1六銀△同香▲同香△2七銀となって、先手の攻めは失敗になってしまいました。

では、第1図は先手が悪いのか? こんな戦闘開始直後に銀桂交換の駒得になり、それでも先手が悪のでしょうか?普通はそんなことはないですよね? それでは、先手がよくなる順があるのかを考えてみましょう。

まずは、第1図から▲1六香と歩を払います。あれ? これは△1六同香でダメだったじゃん。と、思われるでしょう。ですが、そこで▲2五銀(第2図)と打ってみましょう。

【第2図は▲2五銀まで】

第2図で、△1七香成には▲3五銀と出ておいて、次に3四へ銀をぶつけていく手が厳しく残ります。よって、後手は△2四歩と銀を追い返しにきますが、一発▲3四歩(第3図)が大きな一手です。

【第3図は▲3四歩まで】

第3図から、△2五歩は▲3三歩成△同金▲3五銀で先手がはっきりよいですね。第3図で△3四同金直も、▲同銀△同金▲3五銀として先手絶好調です。そこで、後手は金を逃げてきますが、△3二金は▲1六銀(第4図)と香を取り返しておけば、次に▲3五銀と出る手や、▲2五歩と突く手が残ります。

【第4図は▲1六銀まで】

第4図から△3四金は▲3五銀、△2三桂は▲2五歩△同歩▲同銀△2四歩に▲1四銀と出て、▲2三銀成△同金▲3五銀を狙っていきます。

また、第3図では△2三金も考えられます。▲1六銀に△2三桂は打てませんが、△1五歩と打つ手があります。▲1五同銀は△1四歩で銀が死にますし、▲2七銀では銀が下がらされて不満ですね。

では、△2三金が好手となるかというとそうでもありません。△1五歩に堂々と▲同銀と取り、△1四歩(△2五歩は▲1八飛)に▲2四銀△同金▲2五香(第5図)で攻めがつながっていきます。

【第5図は▲2五香まで】

しかし、後手にも持ち駒が多く、まだ若干先手が指しやすい程度の局面でしょう。端を詰めてあるときは、銀桂交換になれば先手が簡単によくなりましたが、端を突き合っていると意外と大変でしたね。それだけ、端歩の関係は大きいとも言えます。

実戦ではまず▲2五桂に手抜いてくることはほぼないとは思いますが、逃げる一手だと思い込んでいると、もし手抜かれた場合はどう指せばよいのかわからなくなることもあります。もちろん、相手の形によっては、手にした銀を別の場所に打ち込んだりする手がよい場合もありますので、こんな展開もあるよ、くらいの感じで覚えておいていただけたらと思います。

一瀬浩司

ライター一瀬浩司

元奨励会三段の将棋ライター。ライター業のほか、毎月1回の加瀬教室や個人指導など、指導将棋も行なっている。主なアマチュア戦の棋歴としては、第34期朝日アマチュア将棋名人戦全国大会優勝、第63回都名人戦優勝などがある。

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阿部光瑠

監修阿部光瑠六段

棋士・六段
1994年生まれ、青森県弘前市出身。2011年4月に四段。2013年に第2回電王戦でコンピュータソフト・習甦(しゅうそ)と対局し、快勝。 2014年の第45期新人王戦で優勝。居飛車、振り飛車ともに指すオールラウンドプレイヤー。
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