先手が必ず良くなる変化を覚えておこう!矢倉における4六銀、3七桂型の攻め方とは?【第59回 矢倉の崩し方】

先手が必ず良くなる変化を覚えておこう!矢倉における4六銀、3七桂型の攻め方とは?【第59回 矢倉の崩し方】

ライター: 一瀬浩司  更新: 2018年10月04日

矢倉の崩し方

今回のコラムも、矢倉における4六銀、3七桂型から攻めていく指し方を解説していきます。それでは第1図です。

【第1図は▲3五銀まで】

あれ? この図は前回やって△3五同銀は▲3三桂成△同玉▲2一飛成、△3五同金は▲同角△同銀▲1三桂成で先手よしだったじゃない。またやるの? と思われるでしょうが、3五の銀を取る以外の応手も考えられますので、今回はそちらを見ていきたいと思います。

まず、桂を取る△2五銀は▲3四銀△2七歩▲同飛△2六歩に▲3七飛(第2図)で後手は3六に打つ歩がありません。

【第2図は▲3七飛まで】

第2図から、△3四銀には▲同飛で金桂交換の駒得のうえ、後手陣が薄くなってはっきり先手がよいですね。

次に、金で取る△2五金はどうでしょうか? これも▲2四銀と取っていきます。対して△2四同角は▲2五飛でよいので、△2七歩と叩いてきます。意外とこれが手ごわいのです。▲2七同飛△2六歩▲2九飛は、△2四金と銀を取りきられてしまいますね。以下▲2六飛に△2三銀とがっちり守られて大変です。△2七歩には▲2三歩(第3図)とすぐに打ってしまうのがよいでしょう。

【第3図は▲2三歩まで】

第3図から△3一玉には、▲3八飛とかわしておきます。以下、△2四金には▲同角△同角に▲2二金が打てて寄りですし、△3六歩の辛抱には▲2二銀(▲3五銀と引いておいても先手十分)△4一玉▲2一銀不成で、△3一金には▲2二歩成△同金▲3四桂があって先手の攻めは切れません。

第3図で△1二玉も▲3八飛が3二の金取りになり、△3六歩に今度は▲3三歩が痛打(△同桂は▲1三銀成)になるので、これも先手よしです。

残るは△2三同金ですが、▲同銀成△同玉に▲3八飛とかわしておいて(▲2七飛は△2六歩▲3七飛△3六歩で紛れる)△3六歩には▲4三銀、△3七歩は▲同飛△3六歩▲2七飛で2六へ打つ歩がなくいずれも先手よしです。補足すると、▲2七飛に△2六銀は▲同飛△同金▲4三銀で寄り筋です。

さあこれで後手の手段が尽きたかに見えますが、実はまだあります。第1図から△2七歩と打つ手です。▲同飛に△2六歩と連打してきます。▲2六同飛なら△2五金が飛車取りになる仕組みでこれはまずいですね。△2六歩の局面では二通りの手段があります。

まずは、▲3四銀と踏み込む手です。△2七歩成に▲4三金(第4図)と打ち込んで先手の攻めは切れません。

【第4図は▲4三金まで】

第4図からは、次に▲4二金△同金▲2四角がありますし、△2五銀としても▲2三歩と打ち、△同金は▲同銀成△同玉▲4二金、△3一玉は▲3二金△同玉▲4三金△4一玉▲2五銀で、いずれも攻めきれます。

もう一つの手段は▲2六同銀(第5図)です。

【第5図は▲2六同銀まで】

これはすぐに決まるわけではありませんが、二歩得したのでじっくり指そうという順です。銀は引かされましたが手順に2五の桂を支えることができましたし、▲3三歩、▲1四歩、▲3五歩など、先手からは攻めの手に困りません。よって、3五の銀を取る手以外も先手がよくなることがわかりました。

一瀬浩司

ライター一瀬浩司

元奨励会三段の将棋ライター。ライター業のほか、毎月1回の加瀬教室や個人指導など、指導将棋も行なっている。主なアマチュア戦の棋歴としては、第34期朝日アマチュア将棋名人戦全国大会優勝、第63回都名人戦優勝などがある。

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阿部光瑠

監修阿部光瑠六段

棋士・六段
1994年生まれ、青森県弘前市出身。2011年4月に四段。2013年に第2回電王戦でコンピュータソフト・習甦(しゅうそ)と対局し、快勝。 2014年の第45期新人王戦で優勝。居飛車、振り飛車ともに指すオールラウンドプレイヤー。
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