相手の対応によって桂馬の跳ね方を変えよう!矢倉における4六銀、3七桂型の攻め方とは?【第58回 矢倉の崩し方】

相手の対応によって桂馬の跳ね方を変えよう!矢倉における4六銀、3七桂型の攻め方とは?【第58回 矢倉の崩し方】

ライター: 一瀬浩司  更新: 2018年09月28日

矢倉の崩し方

今回のコラムも、矢倉における4六銀、3七桂型から攻めていく指し方を解説していきます。それでは第1図です。

【第1図は△3四同金まで】

前回までのコラムでは、ここから▲3三歩と打つ攻め方を見てきました。簡単に復習してみますと、打ち込まれた3三の歩を角、金、銀で取るのはいずれも▲3三同桂成から先手が駒得しながら気持ちよく攻めれました。△4三金と△3一金はいずれも▲3五銀が強烈な一撃で、△同銀は▲1三桂成、△同金も▲同角△同銀に▲1三桂成で決まりましたね。△2三金は、▲1三桂成から香を入手しての▲3九香を含みに攻めていけばよかったですね。△3三同桂も、▲同桂成から▲1六桂を含みにして調子よく攻めていけましたね。よって、第1図からは▲3三歩で先手よしですが、もう一つ有力な攻めがあると以前のコラムで書きましたので、今回はそちらも見ていきたいと思います。

さて、とは言っても単に▲3五歩は△2五金で1六へ打つ桂がありませんし、▲2六歩と桂を支えるのでは、せっかく切れている2筋の歩を打つことになってつまらないですね。ですが、ここまで三回のコラムを読んでいただいた方でしたら、正解はわかると思います。実は、これまでに出てきた攻め筋です。第1図から▲3五銀(第2図)が強烈な攻めになります。

【第2図は▲3五銀まで】

これは第1図から▲3三歩と打ち、△4三金や△3一金と応じてきたときに出てきた攻めでしたね。いきなりやっても果たしてうまくいくのでしょうか?

さて、後手の応手は金と銀のどちらで取るかですが、まずは△3五同銀から見ていきましょう。飛車先をガードしていた銀が移動し、いかにも決めどころですね。▲1三桂成△同玉▲2一飛成で決まり。簡単なようですが、▲1三桂成には△3一玉(第3図)と引かれるとどうでしょう? 

【第3図は△3一玉まで】

第3図から▲2三成桂は△2六歩▲3二成桂△同玉で3筋の金銀が厚く飛車を押さえ込まれて攻めきれません。第3図から▲3五角も、△同金▲2二銀△4一玉▲2一銀不成にやはり△2六歩で先手芳しくありません。以前のコラムでは金が4三でしたので、△3一玉には▲2二飛成がありましたが、今回は金が3二にいますので▲1三桂成ではうまくいきません。△3五同銀には、反対側に飛び込む▲3三桂成(第4図)が正しい攻め方になります。

【第4図は▲3三桂成まで】

今度△3一玉なら、▲3四成桂と金を取ればよいですね。△3三同玉なら▲2一飛成と成り込めます。1一の香も取れる形ですし、銀損でも飛車を成り込んだ先手がよいです。ただし、以前ご紹介しました▲3三歩△4三金が入っていた変化に比べると、3二に守備金がいて後手陣はまとまっており、難しい局面です。

では、次に△3五同金はどうでしょうか? 2四の銀をどかすために▲同角△同銀まで進みますが、今度は▲1三桂成(第5図)が成立します。

【第5図は▲1三桂成まで】

第5図から△1三同玉は▲1四歩△1二玉▲1三金以下詰みなので、△3一玉と引きますが、今度は▲2二金と金を打てるのが大きいのです。△4一玉に▲3二金△同玉▲2一飛成(▲2三飛成△4一玉▲4三金も有力)△4三玉▲2三竜で後手陣は崩壊しますね。

よって、第1図から▲3三歩、▲3五銀のいずれも先手がよくなることがわかりました。

一瀬浩司

ライター一瀬浩司

元奨励会三段の将棋ライター。ライター業のほか、毎月1回の加瀬教室や個人指導など、指導将棋も行なっている。主なアマチュア戦の棋歴としては、第34期朝日アマチュア将棋名人戦全国大会優勝、第63回都名人戦優勝などがある。

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阿部光瑠

監修阿部光瑠六段

棋士・六段
1994年生まれ、青森県弘前市出身。2011年4月に四段。2013年に第2回電王戦でコンピュータソフト・習甦(しゅうそ)と対局し、快勝。 2014年の第45期新人王戦で優勝。居飛車、振り飛車ともに指すオールラウンドプレイヤー。
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