角道を開けない左美濃?飯島流引き角戦法の特徴と手順をご紹介!【第41回 玉の囲い方】

角道を開けない左美濃?飯島流引き角戦法の特徴と手順をご紹介!【第41回 玉の囲い方】

ライター:   更新: 2018年07月30日

玉の囲い方

今回のコラムでは、「左美濃」についてご紹介します。あれ? 左美濃ってずいぶん前にやったじゃない。そう思われた方、このコラムを初期のころから読んでいただきありがとうございます。以前ご紹介した「天守閣美濃」ではなく、玉を8八(2二)へ囲う形です。それではどのような形をご紹介するのか? そちらを見ていただきましょう。

囲いの特徴

第1図をご覧ください。

【第1図は△5二金右まで】

平成19年6月15日、第15期銀河戦本戦Eブロック、▲鈴木大介八段ー△飯島栄治五段戦(段位は当時)です。この局面をぱっと見せられてなにか変だとは思いませんか? そうです、後手の3筋にある歩が3三にいますね。普通、対振り飛車の出だしといえば、先手なら▲7六歩△3四歩▲2六歩△4四歩、後手なら▲7六歩△3四歩▲6六歩△8四歩のようなな手順が一般的です。しかし、第1図の形は△3四歩と突かずにこの形に組んでいきました。なぜ角道を開けないのか? 第2図をご覧ください。

【第2図は▲4五歩まで】

平成8年7月22日、第46回NHK杯争奪戦本戦、▲屋敷伸之七段ー△村山聖八段戦(段位は当時)です。これは普通に△3四歩と角道を開けて美濃囲いに組んだ実戦ですが、角筋を生かして先手に攻められていますね。第1図の形では、角道を開けないので、2二に入城しても玉のコビンが開いておらず、角筋を生かした攻めを心配しなくてよいところが最大の特徴です。また、現在では角交換型の振り飛車も流行しています。角道を開けなければ、そもそも角交換のしようがないので、苦手な方は避けることができます。

では、どのように組んでいくのか? 先手側の駒だけを配置して、そちらの手順を見ていきましょう。

囲いを組むまでの手順

初手から、▲2六歩、▲4八銀、▲5六歩、▲7八銀(第3図)。

【第3図は▲7八銀まで】

通常、左美濃に組むのなら、▲6八玉、▲7八玉、▲8八玉としてから▲7八銀と上がります。ですが、居飛車ですと8八にいる角を移動させなければなりません。また、その角を移動させるには、7七の歩か7九の銀を動かさなければなりませんね。美濃に組むには銀は7八に上がらなければなりませんので、玉を7八に移動してしまうと、7七の歩を動かさずに美濃に組むことが非常に難しくなります。ということで、玉は居玉のままで、先に銀を動かしました。第3図から、▲7九角、▲5七角(第4図)。

【第4図は▲5七角まで】

銀を移動させたことにより、角を動かせるルートができました。さっそく7九へ引き、5七へ移動させます。これで8八の地点が開きましたね。第4図から、▲6八玉、▲7九玉、▲8八玉、▲5八金右(第5図)。

【第5図は▲5八金右まで】

道を塞いでる駒を移動させてから玉を動かす。まるでパズルのような組み方ですね。▲7九角と引いて囲い、第1図の飯島七段が得意としていたので、「飯島流引き角戦法」とも言われます。第37回の将棋大賞では新手は妙手を指したり、定跡の進歩に貢献した者に与えられる「升田幸三賞」を受賞しています。

次回は、組む際の注意点と発展形についてご紹介していきます。

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