将棋コラム

今プロで流行中の「横歩取り青野流」 青野照市九段が教える青野流の狙いと指し方とは?【将棋世界2018年7月号のご紹介】

今プロで流行中の「横歩取り青野流」 青野照市九段が教える青野流の狙いと指し方とは?【将棋世界2018年7月号のご紹介】

ライター:   更新: 2018年05月31日

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将棋世界のご紹介

将棋世界 2018年7月号(6/1発売)の戦術特集は、「横歩取り青野流~飛車角桂が盤上を躍動~」。

①青野照市九段による基本講座
②高野智史四段による青野流の歴史から最新事情まで
③藤森哲也五段による次の一手
④西尾明六段による自戦記

の4コーナーで、青野流の極意を学びます。

アマチュアにとって深い研究が勝敗を左右する横歩取りは、指しこなすのが難しいイメージがありますが、升田幸三賞に輝いた横歩取り青野流は、狙いがとても分かりやすいのが特長です。横歩を取っても飛車を定位置に引かずに左右の桂が跳躍。技が決まれば、強い相手に一撃で勝てるポテンシャルを秘めています。さあ、青野流を覚えてあなたの得意戦法に育ててください。

本記事では、青野九段による講座の一部をご紹介。家元直伝の青野流で、ライバルに差をつけましょう。

横歩取り青野流 飛車角桂が盤上を躍動

このたび、2度目の『升田幸三賞』を受賞することになった。「鷺宮定跡」に続いて「横歩取り青野流」での受賞だ。そもそも横歩取りは後手が主導権を握りやすく、歩損の代わりに手得をして、後手から積極的に攻める戦法である。

つまり、先手は飛車で横歩を取ると戻すのに手がかかり、後手に先攻されやすいので、横歩を取った上に何とか先攻できないか、というのが「青野流」の発想の始まりだった。

それではどんな戦法かを見ていくと同時に、初段前後の方でも使える「青野流」の指し方を解説していきたい。

初手からの指し手

▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲7八金 △3二金

▲2四歩 △同歩 ▲同飛 △8六歩 ▲同歩 △同飛 ▲3四飛 △3三角

【第1図は△3三角まで】

横歩取りの基本形

▲7六歩には△3四歩、▲2六歩に△8四歩と突くのが、横歩取りの出だしである。先手の▲3四飛に△3三角が現代の基本形だ。第1図から▲3六飛と引き、7六の歩を守りつつ2六に飛車を戻す将棋が多いが、飛車を引かずに2九の桂を使えないかというのが、新発想である。

飛車を引かずに桂跳ね

第1図から▲5八玉と上がるのが、青野流への第一歩。同じようでも▲6八玉と6筋に上がるのが「勇気流」で、どちらも一長一短がある。6八玉型なら△7六飛とされても、△8八角成を受ける必要がない代わりに、8四に飛車が回ったときには△9五角の王手飛車が残る。

▲5八玉に後手も△7六飛と横歩を取れば、▲8四飛が△8八角成に▲同飛を用意した手となり、△8二歩▲3八金△2六飛▲2七歩(参考A図)と進むと、先手の手得がおわかりだろう。

【参考A図は▲2七歩まで】

そこで△2二銀だが、飛車を引かずに▲3六歩~▲3七桂が青野流。

第1図以下の指し手

▲5八玉 △2二銀 ▲3六歩 △8二飛 ▲3七桂(第2図)

【第2図は▲3七桂まで】

第1号局の成否

この「横歩取り青野流」は、私の弟子だったS三段が一門の研究会で指した手で、急戦が好きな私がこれは面白いと一緒に研究し、実戦で試した戦法だ。従って一門で頂いた升田賞だと思っている。

第2図が私の実戦の第1号局。ここからの△8八角成は▲同銀に△3三銀と、形よく上がろうという手。

私は△8八角成に▲8三歩と反発し、△5二飛▲8八銀△5四歩▲4八金△3三桂▲2四飛△5五歩▲7七銀(参考B図)以下勝利したが、最善ではなかった。

【参考B図は▲7七銀まで】

というのも、▲8三歩の飛車取りには手抜きで△7八馬と金を取る手があり、▲8二歩成△3三銀▲7一と△同金▲7八銀△3四銀▲8二歩に△8八飛(参考C図)で、先手が容易でないことが、このあとの実戦で証明されたからである。

【参考C図は△8八飛まで】

△8八飛以下は、▲8七銀打なら△8六歩。▲8七角には△8六金がある。

戻って△8八角成には平凡に▲同銀と取り、△3三銀に▲8三歩と飛頭をタタく手があった。飯島栄治七段の発見だ。△同飛に▲8四歩と打っても、結局第3図のように△8四飛と歩を取られるのだが、ここで先手の手番となるのが2歩を捨てた代償である。

第2図以下の指し手

△8八角成 ▲同銀 △3三銀 ▲8三歩 △同飛 ▲8四歩 △8二飛 ▲3五飛 △8四飛

【第3図は△8四飛まで】

銀桂交換の戦果

第3図から▲6六角が絶好の一手で、△2四飛には▲4五桂でよい。本譜の△8二飛にもそこで▲4五桂が気持ちのよい一手だ。以下△4四銀なら▲8三歩△7二飛に、▲4四角△同歩▲5三桂成で先手よし。△4四角の受けに▲8三歩は、△同飛なら▲4四角△同歩▲6五角の狙いがある。△5二飛とかわした手に▲3三桂成と銀を取って、銀桂交換となれば駒得した先手の戦果である。

第3図以下の指し手

▲6六角 △8二飛 ▲4五桂 △4四角 ▲8三歩 △5二飛 ▲3三桂成 △同角 ▲7七銀 △5四歩 ▲8五飛 △5五歩

【第4図は△5五歩まで】

焦りを誘う平凡手

第4図から平凡に▲8二銀が、次の▲8一銀成~▲8二歩成を見せて、後手の焦りを誘う一手。後手の△5六歩~△5七歩は、先手の玉頭を攻める手だが、▲6八玉とかわして二の矢はない。

角交換から△7四角には、▲2五飛と回って第5図。以下△2三歩なら、▲9一銀成△5六角に、▲5四歩(△同飛は▲5五香)。また△2四歩▲同飛△2三歩の連打には、▲7四飛△同歩▲8一銀成とすれば、やはり先手優勢である。

第4図以下の指し手

▲8二銀 △5六歩 ▲同歩 △5七歩 ▲6八玉 △6六角 ▲同歩 △7四角 ▲2五飛

【第5図は▲2五飛まで】

続きは将棋世界 2018年7月号でお読みいただけます。

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