野月八段の考える、将棋とサッカーの共通点と違いについて【棋士と趣味】

野月八段の考える、将棋とサッカーの共通点と違いについて【棋士と趣味】

ライター: 野月浩貴  更新: 2018年02月13日

子供の頃からずっとスポーツが大好きで、野球、スキー、スノーボード、サッカー、テニス、キックボクシング、競技用自転車と年代に合わせて色々なスポーツをしてきました。

スポーツ観戦も、サッカー、ウィンタースポーツ、テニス、ラグビー、格闘技、アメリカンフットボール、モータースポーツ、自転車競技など、様々なジャンルを観ています。

その中でもサッカーは特別。昔は日本将棋連盟のサッカー部で部長を務めたりもし、活動をしていました。

現在は40代も半ばになり体力的な問題もあるので、もっぱら観る専門です。年間に50~60試合ほどスタジアムに通い、数百試合はテレビやオンデマンドで観戦をする日々です。

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小学6年の冬に奨励会に合格して、中学1年から単身上京をしました。上京先は横浜でした。実家が日産の車を所有していたこともあり、同級生の父親に連れられて、横浜を本拠地に構える日産自動車サッカー部の試合観戦に通っていました。当時はJリーグが発足する前です。1993年にJリーグが発足して、日産自動車サッカー部から横浜マリノス(現・横浜Fマリノス)に名を変えましたが、引き続き応援する日々です。Jリーグ開幕カードをなった横浜マリノスとヴェルディ川崎の試合は満員の観衆が国立競技場を埋め尽くしました。

何とかチケットを手に入れて、深浦康市九段や奨励会の仲間を誘って開幕戦を観戦しました。今でもその興奮は忘れられません。

1996年に私の地元、札幌にもプロチームが誕生することになり、そのまま横浜マリノスを応援するか、コンサドーレ札幌(現・北海道コンサドーレ札幌)を応援するかを悩みましたが、せっかくの地元のチームなのでコンサドーレ札幌のサポーターとして全力応援することにしました。横浜マリノスは、サポーターではなくなりましたが、引き続き好きなチームとして応援しています。

北海道コンサドーレ札幌の試合はゴール裏でサポーターとしての応援。それ以外の試合は基本的にメインスタンドの全体が良く見える位置での観戦となります。

ホーム、アウェイ関係なく、時間を作って観戦に行きます。普段、あまり足を運ばない土地に行くのは楽しいですね。

サッカー観戦で訪れたついでに、地方の将棋関係者とお会いして話をするのも楽しい時間です。

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将棋とサッカーに共通点が多いなと感じ始めたのは高校生くらいの時でしょうか。将棋盤とサッカーのグラウンド、駒と選手、陣形とフォーメーションなど、それぞれの役割を持って、相手の玉とゴールに戦術的視野を持って迫る姿に共通点を感じました。

将棋とサッカーの大きな違いといえば、将棋はプレーヤーが駒を自由自在に使えるのに対して、サッカーは選手一人ひとりに意志があり、しかも疲れたりするのでなかなか監督の思い通りに動かないという所だと思います。

最近では将棋とサッカーのコラボイベントも多く開催されています。

2013年3月に阿久津主税八段、広瀬章人八段、熊坂学五段と山形県の蔵王にスノーボードをしに行ったついでに、山形県天童市に寄ってモンテディオ山形の試合を観戦しました。その時にモンテディオ山形をたんとするサッカーライターで、将棋が好きな頼野亜唯子さんに紹介でスタジアムに招待していただきました。試合前にスタジアムのグラウンドで紹介いただいたのがきっかけで、「将棋駒のまち」である天童に本拠地を構えるモンテディオ山形とせっかくだから一緒になって盛り上げていこうとなりました。

【山形県天童市・将棋×サッカーコラボイベント】
2015年5月2日(土)・3日(日)開催報告
2017年7月22日(土)・23日(日)開催報告
2017年11月18日(土)・19日(日)開催報告

同時期に横浜Fマリノス・アンバサダーの波戸康広さんが将棋親善大使に就任したこともあり、横浜Fマリノスでのコラボイベントも開催されるようになりました。

【日産スタジアム・将棋×サッカーコラボイベント】
2015年7月9日(土)開催報告
2015年7月11日(土)開催報告

最近では、日本代表のゴールキーパーである、柏レイソルの中村航輔選手が将棋好きということで、ファン感謝デーで将棋イベントを開催されたのも記憶に新しいですね。

将棋ファンの中にも将棋とサッカー両方好きという方も多いですし、最近では将棋に縁のなかったサッカーファンの方も将棋に興味を持っていただいたりと、コラボイベントをしたり、棋士としてサッカー好きをアピールすることにより、新たな層が将棋に興味を持っていただけるのが嬉しいです。

将棋とサッカーが大好きな立場としては、将棋とサッカーで人生を埋め尽くせるだけで幸せな日々となります。

自分が楽しみながら、皆さんを巻き込んで将棋とサッカーの楽しさを伝えられたらと思います。

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棋士と趣味

野月浩貴

ライター野月浩貴

1973年北海道の生まれ。1985年に第10回小学生名人戦で優勝。同年、奨励会6級で勝浦修九段に入門。1996年10月に四段。サッカーを趣味とする。1998年の第17回早指し新鋭戦と1999年の第19回オールスター勝ち抜き戦で優勝。

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