初級者はまずこの囲いを覚えよう!美濃囲いの組み方と特徴とは?

初級者はまずこの囲いを覚えよう!美濃囲いの組み方と特徴とは?

ライター: 一瀬浩司  更新: 2017年10月30日

前回のコラムでは、玉の囲いにはどのようなものがあるか、代表的なものを三つご紹介いたしました。今回のコラムからは、そのなかで、美濃囲いに組むはどのように囲っていけばよいのかをご紹介していきます。それでは第1図をご覧ください。

まずは、こちらが美濃囲いの完成形です。

【第1図】

前回のコラムでまず最初にご紹介した囲いですね。初手から第1図まで、どう指し手を重ねていき、組んでいくのかをご紹介していきます。右辺だけ見て、いきなり玉を囲おうとすると失敗します。すなわち、初手から▲4八玉、▲3八銀、▲3九玉、▲5八金左(第2図)としても、2八にいる飛車が邪魔をして美濃囲いに入城することができません。

【第2図は5八金左まで】

▲1八飛と寄れば、▲2八玉と入ることはできますが、今度は1八にいる飛車の活用が難しくなります。それでは、正しい囲い方を見ていきましょう。

美濃囲いの組み方

まずは▲7六歩と角筋を開けます。次に▲6六歩と角筋を止めてしまうのがわかりやすいでしょう。次に一つ▲7八銀と上がり、▲6八飛(第3図)と飛車を振ります。

【第3図は▲6八飛まで】

もちろん、▲6八飛ではなく、▲5八飛としたり、▲7八銀を上がらずに▲7八飛としてもよいのですが、今回は四間飛車で囲っていく指し方をご紹介します。また、玉を囲うのには、すぐに▲7八銀と上がる必要はありませんが、その理由はまた後日のコラムで述べていきます。そして第3図から、玉を移動させていきます。▲4八玉、▲3八玉、▲2八玉(第4図)と玉を3回移動します。

【第4図は▲2八玉まで】

続いて▲3八銀と銀を上がり、▲5八金左(第5図)と金銀を1回ずつ上がれば早くも美濃囲いの完成です。

【第5図は▲5八金左まで】

第3図からの囲い方では、▲4八玉、▲3八銀、▲3九玉、▲2八玉、▲5八金左という囲い方もありますが、まずは玉を移動させてから金銀を上がったほうが覚えやすいでしょう。

美濃囲いの特徴

このように、初手からたった9手で第5図まで組めてしまう簡単さもあって、初級者へ教える囲いのなかではいちばん人気があります。おおざっぱに言えば、飛車をどこか左辺に移動して玉を2八まで持っていき、金銀を一回ずつ上がる。たったこれだけで完成です。アマチュア大会では、振り飛車は人気の戦法ですが、その理由として、初級者のころにまず振り飛車を教わって、そのまま腕を磨いて強くなったという方が多いからではないでしょうか。

さて、これにて美濃囲いは終わり、と言いたいところですが、もちろん、実戦では相手がいます。今回は、先手の駒だけで囲い方をご紹介いたしましたが、次回のコラムでは、相手の駒も動かしながら、美濃囲いへ組む注意点や発展系などを説明していきます。

玉の囲い方

一瀬浩司

ライター一瀬浩司

元奨励会三段の将棋ライター。ライター業のほか、毎月1回の加瀬教室や個人指導など、指導将棋も行なっている。主なアマチュア戦の棋歴としては、第34期朝日アマチュア将棋名人戦全国大会優勝、第63回都名人戦優勝などがある。

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杉本和陽

監修杉本和陽四段

棋士・四段
1991年生まれ、東京都大田区出身。2017年4月に四段。師匠は(故)米長邦雄永世棋聖。バスケットボールを趣味とする。ゴキゲン中飛車を得意戦法とする振り飛車党。

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