将棋コラム

急戦矢倉を覚えよう。△5三角に対する二つの攻め方

急戦矢倉を覚えよう。△5三角に対する二つの攻め方

更新: 2017年08月26日

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矢倉の崩し方

前回のコラムでは、第1図から▲6六銀と引いてしまい、△4四金と拠点を払われてうまくいきませんでした。

【第1図】

この局面もそうですが、だいたいの場合、勢いにまかせて歩を打ち込むだけ打ち込んで引き上げるのは、その歩を取られるだけになってしまうので、よくありません。引く一手のときには、攻めたい気持ちをぐっとこらえてじっと引き上げる辛抱も必要となります。もちろん、一気に攻め込めるときにはガンガン打ち込んでいってよいですが。

それでは、第1図からはどう攻めをつないでいくのか? そちらを見ていきましょう。まずは▲4五桂(第2図)と跳ね出します。

【第2図は▲4五桂まで】

もし、3一の角がいなければこれで決まりなのですが、5三の金にもヒモが付いていますので、△5五歩と銀を取られると駒損で失敗に思われるかもしれません。さて、このときに金と銀、どちらを取るかですが、▲3三桂成と銀のほうを取るのは、△同桂▲4三銀△4四金▲3二銀成△同玉(第3図)で、4四の金が厚く、うまくいきません。

【第3図は△3二同玉まで】

また、△4五桂や△3七銀の反撃も厳しくなってきます。よって、△5五歩には▲5三桂成△同角と金のほうを取って進めるのが正解となります。さて、ここで二通りの攻め方があります。まずは▲5四金(第4図)です。

【第4図は▲5四金まで】

△7一角と逃げれば、▲4三歩成で大成功ですね。△4四角には▲同金△同銀と角を手に入れることができます。ですが、△4四同銀まで進んでみると、後続の攻めが難しく、3七へ金や銀を打ち込んで反撃される手が気になります。8二に飛車がいる形なら、▲7一角と打って攻め続けることもできますが、現状ではやや難しいですね。

では、もう一つの攻め方を考えてみましょう。ひと目では難しいかもしれません。もし、後手の銀が3三にいなければ、▲5四金に△4四角がなく、より厳しくなりますよね。また、もし後手の金が3二にいなければ、▲4三歩成と成ることができます。つまり、金か銀を移動させる方法があれば攻めを続けることができます。▲2二歩(第5図)が攻めをつなげる好手です。

【第5図は▲2二歩まで】

△同銀には▲5四金と打てば、4四への利きがなくなりますので△4四角とできません。また、△同金にはもちろん▲4三歩成と成ることができます。実際には、△4四銀▲2一歩成△4五銀打くらいでまだまだ難しい形勢なのですが、後手玉に近いところにと金を作れて、中級者同士くらいでしたら、先手が勝ちやすい局面でしょう。

矢倉の崩し方

阿部光瑠

監修阿部光瑠六段

棋士・六段
1994年生まれ、青森県弘前市出身。2011年4月に四段。2013年に第2回電王戦でコンピュータソフト・習甦(しゅうそ)と対局し、快勝。 2014年の第45期新人王戦で優勝。居飛車、振り飛車ともに指すオールラウンドプレイヤー。
一瀬浩司

ライター一瀬浩司

元奨励会三段の将棋ライター。ライター業のほか、毎月1回の加瀬教室や個人指導など、指導将棋も行なっている。主なアマチュア戦の棋歴としては、第34期朝日アマチュア将棋名人戦全国大会優勝、第63回都名人戦優勝などがある。

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