女流王位戦第2局こぼれ話。伊藤女流二段の師匠、屋敷九段の故郷を巡る。

女流王位戦第2局こぼれ話。伊藤女流二段の師匠、屋敷九段の故郷を巡る。

ライター: 宮本橘  更新: 2017年06月08日

第28期女流王位戦五番勝負の第2局で、北海道は小樽市に行ってきました。結果は既報の通り、挑戦者の伊藤沙恵女流二段が勝って1勝1敗のタイに。番勝負は俄然盛り上がりを見せています。さて、小樽といえば年間800万人近くが訪れる国内有数の観光地。特に小樽運河と倉庫群は有名なので、ここを取材しない手はないと足を延ばしました。

取材は、第2局の観戦記を担当した内田晶記者と同行。小樽を何度か訪れたことがあるということで、数十年前の思い出話を聞かせてもらったので紹介します。小樽の街並みの様子は中継ブログを見ていただくとして、内田記者と向かったのは小樽駅前の商店街です。

IMG_4199.JPG
撮影:宮本橘

写真は小樽駅前にある「都通り商店街」の入り口。石壁造りの壁やレトロな街灯に彩られた、趣のあるアーケード商店街です。商店街にはさまざまなお店が立ち並びますが、一際目を引くのが、レトロな雰囲気の純喫茶。そのうちの一店に内田記者と入りました。

IMG_4211.JPG
撮影:宮本橘

内田記者が数十年前に訪れたという、純喫茶・エトワールさん。たまたま入店したところ、テレビに競馬中継が流れていて、競馬好きなマスターと話が弾んだとのことです。

IMG_4214.JPG
撮影:宮本橘

居心地のいいエトワールの店内の様子です。コーヒーを飲みながら、内田記者が訪ねた当時の話を聞いたところ「確かに当時は競馬好きで店内で競馬中継を流していた」とのこと。お店のマスターと、その奥様を含めて話が盛り上がっていました。

内田記者に聞いた小樽の思い出です。「小樽といえば、19年前――今回の挑戦者の伊藤沙恵女流二段の師匠である、屋敷先生(伸之九段=当時は棋聖)をはじめとする将棋関係者と旅行に訪れたことを思い出します。私はラーメン店巡りが趣味で、小樽では『初代』というラーメン屋さんに皆で行きました。1カ月寝かした醤油を使ったスープが芳醇な、贅沢な一杯でした」

屋敷九段は北海道出身棋士。当時は棋聖に復位しており、親しい関係者と祝勝旅行だったのかもしれませんね。ちなみに、弟子の伊藤沙恵女流二段は、今回北海道に初上陸とのことでした。

IMG_4224.JPG
撮影:宮本橘

こちらは中継ブログでも紹介した、北海道初の鉄道路線「旧手宮線」の跡地。若き日の内田記者は、北海道を周遊する鉄道切符を使って、函館や札幌、小樽、さらには稚内まで旅をしたそうです。

全国各地を飛び回る、バイタリティー溢れる内田記者。また機会があれば話を聞いてみたいですね。それではまた。

宮本橘

ライター宮本橘

1990年から印刷プロダクションでライター兼デザイナーに従事。2009年に独立してフリーライターとなる。2010年、日本将棋連盟のネット中継記者(ペンネームは八雲)を担当。2016年より棋王戦の新聞観戦記を執筆。ほか、マイナビニュースで電王戦関連の記事を執筆

このライターの記事一覧

  • Facebookでシェア
  • はてなブックマーク
  • Pocketに保存
  • Google+でシェア

こちらから将棋コラムの更新情報を受け取れます。

Twitterで受け取る
facebookで受け取る
RSSで受け取る
RSS

こんな記事も読まれています