藤井四段「▲9七玉は凌いでいるように感じた」AbemaTV七番勝負、VS増田四段戦ふり返り(藤井四段のコメントあり)

藤井四段「▲9七玉は凌いでいるように感じた」AbemaTV七番勝負、VS増田四段戦ふり返り(藤井四段のコメントあり)

ライター: AbemaTV将棋チャンネル編集局  更新: 2017年04月02日

怪物くんの登場だ。藤井聡太新四段。14歳。加藤一二三、谷川浩司、羽生善治、渡辺明に続く将棋史上5人目となる中学生棋士。14歳2カ月でプロデビュー。これは加藤一二三が持っていた14歳7カ月というプロデビュー記録を62年ぶりに塗り替える前人未踏の快挙でもある。

AbemaTVでは、この天才怪物くんに強敵を次々と対戦させる「藤井聡太、炎の七番勝負」という何とも興味深い企画を実現させた。

七番勝負の対戦相手は次の通りだ。

第1局 増田康宏四段
第2局 永瀬拓矢六段
第3局 斎藤慎太郎七段※対局時は六段
第4局 中村太地六段
第5局 深浦康市九段
第6局 佐藤康光九段
第7局 羽生善治三冠

第4局まで勝ちまくっている新進気鋭の若手棋士、第5局以降はタイトル戦の常連と言ってもいいA級の棋士。なんともすごい対戦相手がズラリと並ぶ。

この猛者たちを相手に、14歳の藤井がどれほどの戦績を残すのかは非常に興味深い。戦前予想は不可能で、このメンバーであれば七戦全敗の可能性もあるだろうし、逆に七戦全勝して天才・藤井の名を世にしらしめることになった最初の企画として将棋史に残ることになるかもしれない。

第1局は増田康宏四段との対戦だ。藤井が関西の天才なら、増田は関東の天才である。増田も13歳で三段に昇段し、14歳四段に限りなく近づいた天才少年。16歳でプロデビューしてからは、公式戦でも高勝率、好成績を収めて活躍している。

「増田四段は、居飛車党で特に受けに力を発揮されるタイプという印象があります」という藤井。戦型は角換わりから持久戦模様となり、一手一手が難しい中盤戦となった。図は60手目に増田が△8四香と打って先手の玉頭から襲い掛かろうとしている局面である。

【第60手目△8四香まで】

ここで「▲7四香と打って少し手応えを感じました」と藤井は言う。△7二銀なら大きな利かしになるので、増田は△7四同銀▲同歩△7五香の攻めを選んだが、▲7三歩成△8六香▲9七玉と進めて「際どいながらも凌いでいるように感じました」と藤井は言う。

一見怖く映る順だが、自玉の安全度に対する藤井の感覚の鋭さを示した一局になった。▲9七玉以下は△8四飛▲8五歩△7七香成▲8六玉△7八成香▲8四歩△8九成香▲7五玉と進めて中段に進んだ先手玉が寄らない格好になった。炎の七番勝負は藤井の勝ち。

やはり藤井は恐るべき天才なのだろうか。残り6局も目が離せない。

【全棋譜はこちら】

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藤井聡太四段 炎の七番勝負

AbemaTV将棋チャンネル編集局

ライターAbemaTV将棋チャンネル編集局

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