着物姿の女流棋士の○○に注目しよう!山口絵美菜女流1級が語る、将棋イベントのススメ。

着物姿の女流棋士の○○に注目しよう!山口絵美菜女流1級が語る、将棋イベントのススメ。

ライター: 山口絵美菜  更新: 2017年04月04日

対局に始まり、聞き手、イベント、講座、指導対局・・・と、多岐にわたる女流棋士のお仕事。今回は「イベント」の世界にご案内いたします。

「イベント」と一口に言っても、公開対局に大盤解説や指導対局がセットになっているお馴染みのものもあれば、棋士会や東竜門(関東の若手棋士チーム)、西遊棋(関西の若手棋士チーム)が運営を担い、プログラムの構成を考えるというものまでさまざま。「目隠し将棋」や「詰将棋早解き選手権×叩いてかぶってじゃんけんぽん」など普段あまりお目にかかれない企画がウリです。

joryukishi_02.jpg
女流棋士との親睦将棋会2016での山口女流1級。撮影:常盤秀樹

女流棋士が実行委員会を務めて企画・運営を行うイベントもあり、例えば今年5月に2回目の開催を迎える「関西女流棋士フェスタ」では女流棋士によるトーナメントに加えてオリジナルのコーナーが設けられています。

昨年の第1回は「熱血講座」「ゆるふわ講座」と題して将棋講座が行われました。「熱血講座」は室谷由紀女流二段と私がペアを組み、びしばしとお客さんを指名しては「甘い!」と檄を飛ばすハイテンションな定跡講座。「ゆるふわ講座」では関西きっての癒し系、北村桂香女流初段と和田あき女流初段のお二人が次の一手問題を出題し、会場をほんわかした雰囲気で包むというもの。私は熱血講座のシナリオも担当したのですが、熱いセリフをたくさん盛り込んだこともあって、これを機に私には熱血というイメージが定着してしまいました。

joryukishi_01.jpg
2016年5月5日に開催された第1回関西女流棋士フェスタの模様。撮影:池田将之

そしてイベントではプログラムにトークショーが盛り込まれていることも多く、その司会進行も女流棋士の役目。テーマに沿って話を盛り上げつつ、きっちり時間も管理し、質問を投げかけたり、話を掘り下げたりと経験や準備がものを言う役回り。私が初めて司会を務めたのは忘れもしない昨年のクリスマス、関西将棋チャリティーイベントでのこと。あと少しでトークショーが始まるというところで突然司会役に任命され、緊張する間もなく30秒後にはマイクを持って壇上に立っていました。

幸いなことに「今年おめでたい人たち」と題してその年昇級・昇段された先生方が登壇したトークショーは「ゲン担ぎ」や「来年の抱負」など話が尽きず、先生方の優しいフォローもあって慣れないながらも割り当てられた1時間を無事乗り切ることができました。土地柄のせいか、関西のイベントではこういった即興性が好まれたりします。

joryukishi_03.jpg
指導対局をする山口女流1級。着物の袖にそっと手を添え、着手している。撮影:常盤秀樹

「女流棋士ならでは」のイベントというと、華やかな和装も目を引くもの。3月28日に6回目の開催を迎えた「女流棋士の知と美」やおととし行われた「新春駒桜フェスタin関西」では女流棋士が振袖や袴姿で登場。この他にも夏に開催されるイベントでは浴衣に身を包んで、ということも珍しくありません。普段とは違う装いでのイベントは緊張するものですが、その際にぜひご注目いただきたいのが「仕草(しぐさ)」。左手でそっと右手の袖をおさえて着手する姿や、しずしずと歩く姿に、盤上で激闘を繰り広げる普段の姿とはまた違った魅力が感じられることでしょう。

個性が光るイベントの世界、棋士や女流棋士と将棋を通して触れ合えるチャンスでもあります。ぜひ一度、といわず何度でも足を運んでみてください!

山口絵美菜

ライター山口絵美菜

1994年5月生まれ、宮崎県出身の女流棋士。2017年に京都大学文学部を卒業し、在学中に研究した『将棋の「読み」と熟達度』を足掛かりに、将棋の上達法を模索している。
将棋を覚えるのが遅かったため「体で覚えた将棋」ではなく「頭で覚えた将棋」が強くなるには?が永遠のテーマ。好きな勉強法は棋譜並べ。

このライターの記事一覧

この記事の関連ワード

  • Facebookでシェア
  • はてなブックマーク
  • Pocketに保存
  • Google+でシェア

こちらから将棋コラムの更新情報を受け取れます。

Twitterで受け取る
facebookで受け取る
RSSで受け取る
RSS

こんな記事も読まれています