初心者が将棋入門書を選ぶ際にチェックすべき7つのポイント。本後半の章を読むのが鍵になる?

初心者が将棋入門書を選ぶ際にチェックすべき7つのポイント。本後半の章を読むのが鍵になる?

ライター: 佐藤友康  更新: 2017年01月18日

将棋を楽しむには、ルールと駒の動かし方を覚えなければなりません。自分のペースで確実に覚えるためには、手元に置いておいて何度でも読み返せる本で学習することが有効です。書店に行ってみると、多くの初心者向けの入門書があります。多すぎて迷うぐらいですが、本の選び方で将棋の上達のスピードも違ってきます。このコラムでは、まったくの初心者が将棋を覚えるために入門書を選ぶ際にチェックすべき7つのポイントをお伝えします。あなたにピッタリの将棋入門書を選び、対局への第一歩を踏み出していきましょう。

1.図解が多く「分かりやすい記述」がなされているか

入門書を探してみると、どうしても子供向けに書かれているものが多いです。簡単すぎると思うぐらい分かりやすく書かれているものもありますが、入門書はそれぐらいのレベルでちょうどいいです。図解が多く、イメージしやすい記述になっている本は分かりやすいです。いくら簡単な本であっても、1、2か所はつまずくところがあるものです。本を使ってひとりで学習するような場合には、疑問点が多くあると、将棋が「難しい」ものだと感じてしまいます。最初こそ、簡単そうな本を選び、「簡単に終わった! 次の本!」とステップアップしていきましょう。

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2.自分との「相性」は良いか

入門書では、ルールと駒の動かし方の説明から入りますが、この辺りについて書いてある内容自体は、どの本でもそれほど大差はありません。挿絵のイメージや分量、文体、本の雰囲気など、自分にとって読みやすい体裁の本がありますから、そういった自分との相性の良い本を選びましょう。特定のプロ棋士のファンであるような場合は、そのプロ棋士の著書というだけで、選んでもいいのではないでしょうか。

3.後半の章の難易度は高すぎないか

入門書ですから、どの本も前半は分かりやすさにこだわって書いています。しかし、駒の動かし方・ルールが終わって後半に進むにつれて、将棋の具体的な指し手や考え方に入っていきます。後半以降に難易度が急激に上がる本もありますので、買う前に一度チェックして、難しそうだなと思う本はパスしましょう。後半の章を見ても、解説が分かりやすいと思う本を選ぶとスムーズに学習を進めることができます。

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4.索引・用語集があるか

「あれ? この言葉の意味って何だっけ?」と思ったときに、いちいち手前のページに戻って読み直しては大変ですよね。疑問に思ったことをすぐに調べて解消できる、索引のある本はとても丁寧です。また、用語集としてまとまった情報を載せているような本も、読み手のことを考えて作られているのでおススメできます。索引の有効な使い方として、本を一通り理解した後に索引を見る方法があります。索引に載っているキーワードを見て、「その言葉の意味を理解しているか」を確認する、理解度チェックツールとして使いましょう。

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5.興味を惹かれるコラムがあるか

ルールや駒の動かし方、反則手や囲いなど・・・入門書とは言え覚えることはそれなりのボリュームがあります。学習ばかりでは疲れてしまいますから、途中に興味を惹かれるコラムがある本はおススメです。将棋の中身だけでなく、将棋を取り巻く環境や将棋の歴史、将棋の雑学、著者の将棋のエピソードなど、多方面から将棋に触れることになり、より楽しく学ぶことができます。大人になってから覚えるのであれば、こういうコラム・雑学があると嬉しいですよね。

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(第65期王将戦第5局 前夜祭 兵庫県尼崎市「都ホテルニューアルカイック」会場での大盤)

6.各章ごとの「大きな考え方」のまとめの記載があるか

局面の詳しい説明よりも、「大きな考え方」が書いてある本は、知識を活かすときに使いやすいので有効です。各章のまとめが、章の冒頭、あるいは章の終わりに書いてある本がいいですね。本の内容をおおよそ理解したころには、まとめのページだけを読み直すことで復習することができます。将棋は、さまざまに変化していくゲームですから、細かな一手よりもまず、広く使える「大きな考え方」を身に付けていきましょう

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7.本の評価は高いか

既に読んだことのある人の感想や、インターネット上での本の評価も参考にできる指標のひとつです。高評価なものであれば、おおむね良い本だということができるでしょう。ただし、本には読み手との相性が大きな要素になりますから、評価だけを鵜呑みにするのは危険です。評価を参考にしつつ、自分で手に取り、相性の良い本を探すのが良いでしょう。

入門書の次のステップは・・・

入門書で学んだ次のステップとしては、序盤と終盤を学習していきましょう。終盤は、詰将棋の本で、最後までキッチリ仕留めることを身に付けましょう。1手詰・3手詰と徐々にステップアップすることで、比例して棋力が上がっていきます。序盤は、戦法を絞った本で、戦いの形を作ることを身に付けましょう。囲い・囲いを組む手順などを身に付けることで、有利に戦いを進めることができるようになります。

実際に駒を並べて覚えていこう!

いかがでしたでしょうか。将棋の入門書の選び方をお伝えしてきましたが、本だけで読み進めるよりも、実際に駒を並べて覚えていくことで、より早く身に付いてきます。入門書が身に付いたら、次は少し上のステップの本で手筋や定跡を学習していくことで、将棋がより楽しくなっていきます。覚えたことを実戦で確かめつつ、自分の成長を感じていきましょう。

佐藤友康

ライター佐藤友康

3歳から将棋に触れ、将棋とともに幼少期を過ごすものの、途中、長い長いブランクを経て、27歳で将棋復活。 2015年4月より、池袋で20代・30代に向けた将棋普及活動『将Give』を主催・運営する。 将棋の楽しさ・面白さ・奥深さに深く感動し、将棋普及と将棋を通じた社会貢献・人間的な成長の応援を使命とする。

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