3×4マスなのに奥深い・・・子どもも遊べる「どうぶつしょうぎ」の遊び方と魅力について

3×4マスなのに奥深い・・・子どもも遊べる「どうぶつしょうぎ」の遊び方と魅力について

ライター: 松谷一慶  更新: 2016年11月26日

みなさんは将棋についてどのようなイメージをお持ちでしょうか。やってみたいとは思うけれど難しそう、いざやってみたけれど複雑だった、そんなイメージではないでしょうか。もっと簡単に手軽に遊べたらいいのに、そう思われている方も少なくないと思います。そんなあなたにおすすめしたいボードゲーム「どうぶつしょうぎ」を、今回は紹介させていただきます。

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ひよことゾウとキリンでライオンを追いかける?!

この「どうぶつしょうぎ」には王将をはじめ飛車・角・金・銀などの駒はありません。かわりにあるのは、ひよことゾウとキリンとライオン! 「なんだ子供の遊びか」なんて思ったあなた。あなどるなかれ、この「どうぶつしょうぎ」はとっても奥の深いゲームなんです。

まずは駒の動かし方をご説明します。

  • ライオン

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ライオンは隣接するどのマスにも進むことができます。将棋の王将にあたる駒です。

  • ぞう

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ぞうは斜めの4マスのいずれかに進むことができます。

  • きりん

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きりんは上下左右の4マスのいずれかに進むことができます。

  • ひよこ

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ひよこは前にひとマスすすめます。相手陣地の一段目までたどりつくと、裏返り、にわとりに進化します。

  • にわとり

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斜め後ろ以外の6マスのいずれかに進むことができる。

どの駒もすすめる方向に印がついているのでわかりやすいですね!

目指すのはキャッチかトライ?

さて、駒の動かし方がわかったところで、遊び方の説明です。初期配置はこちらです。3×4のマスの中にこのように並べます。将棋を知っている人はもうなんとなくイメージできたかもしれないですね。

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それぞれ空チームと森チームにわかれて対戦がスタートします。

【ルール】
1. プレイヤーは交互に自分の駒を動かします。
2. 移動した先に相手の駒があった場合はそれを盤上から取り除いて自分の駒にすることができ、次回以降の自分の順番の時に空いている場所に自分の駒としておくことができます。
3. 相手のライオンをとれば勝ちで、この勝ち方をキャッチといいます。

そしてもうひとつ、将棋にはないルールがあります。

4. どうぶつしょうぎでは、自分のライオンを相手の一段目まで移動させることができても勝ちで、この勝ち方をトライといいます。

ライオンをキャッチすることに夢中になるあまり、いつのまにか相手にトライをされてしまうという展開もよくあるので注意が必要です。

「4歳でも楽しめるように」考案者北尾まどか女流二段へインタビュー

「どうぶつしょうぎ」の考案者でもある北尾女流二段にお話を伺いました。

 ――この「どうぶつしょうぎ」を作ったきっかけは何ですか?

将棋はとても奥が深くて面白いのですが、ルールが難しい。とくに漢字を習う前の子どもにとっては、まず駒の名前を覚えるのが大変です。私が教える将棋教室に4歳の子が習いにきていて、どうやったら楽しく覚えてもらえるかを考え、駒の数を減らし、盤を小さくして、だれでもすぐにあそべるカンタンな将棋のルールを作りました。

 ――ゲームをつくるなかで、最も大変だったのは何ですか??

先手必勝法が見つかってしまうと、ゲームとして面白くなくなってしまいます。3x4以外にも駒の数や盤の大きさを変えて試行錯誤したのですが、数が多くなればなるほど必勝法は出にくいながらもルールが複雑になってしまいます。「わかりやすさ」がテーマなので、極限までシンプルにしたうえで、ゲームとして成立するかどうかのバランス調整が必要でした。形になってきたら実際に繰り返してやってみるしかないので、その検証に一番時間がかかりました。

 ――作ってよかったなと感じるのはどういうときですか??

こどもたちが笑顔で対局しているのをみているときですね。どうぶつしょうぎを教えにいくことがよくあるのですが、まったく将棋を知らないこどもたちが、ルールを聞いてすぐに対局し「楽しい!! もう一回!!」と何度も繰り返して遊んでくれると、良かったなと感じます。

 ――これを見ているみなさんにメッセージをお願いします。

ここを見ているのは将棋ファンの方、または将棋に興味を持ってくださった方だと思います。将棋仲間をもっともっと増やすために、ぜひみなさんの身近にいる"将棋を知らない方"に教えてください。本将棋を説明するのは、教わる側はもちろんのこと教える側も大変ですが、どうぶつしょうぎならすぐにはじめられます。たくさんの方に将棋の楽しさを知っていただけたら嬉しいです。

いかがでしたか。簡単そうにみえて奥が深い「どうぶつしょうぎ」。大人から子供まで楽しめること間違いなしです。みなさんもぜひ一度遊んでみてください。

松谷一慶

ライター松谷一慶

2013年より世界一周に出発し、アジア、ヨーロッパ、アフリカ、南米、北米を経て、2016年春に帰国。これまでに訪れた国は約100ヵ国。 自然と音楽とお酒とお祭りとトライアスロンとバンジージャンプと甘いものとキリンとぶり大根とが好き。将棋は祖父と何度が指したことがあるくらいだったが、最近また覚えはじめる。

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