公益社団法人 日本将棋連盟

順位戦における裁定について

 日頃より将棋文化の普及・発展にご理解賜り、誠に有り難うございます。

 昨日1月10日 (火)、関西将棋会館(大阪市福島区)で行われた第81期順位戦C級1組9回戦、平藤眞吾七段対日浦市郎八段戦における日浦八段の反則負けの裁定について、その経緯と詳細をご報告申し上げます。

 同対局開始後(※1)に、対局相手の日浦八段が鼻を出したマスクの着用を行っていたことから、平藤七段が鼻を覆った「正しいマスクの着用」を求めましたが、日浦八段がこれを了承しなかったため、平藤七段が対局開始後に立会人に対応を求めました(対局規定第3章第9条第2項)。

 立会人は即座に日浦八段に対して、臨時対局規定に従って、「正しいマスクの着用」を行うように注意しましたが、本人が聞き入れず、その後、対局規定第3章第9条第3項に基づき、3回に渡って立会人が日浦八段に対して同様の注意を繰り返しました。日浦八段が「正しいマスクの着用」を拒み続けたため、立会人から注意に従わない場合は反則負けにする可能性がある旨を通知しましたが、本人より従わないとの回答があったため、立会人が臨時対局規定第3条及び第4条に基づき、日浦八段の反則負けを裁定しました。

 本裁定に該当する条項は以下のとおりです。

(臨時対局規定抜粋)

第1条
対局者は、対局中は、一時的な場合を除き、マスク(原則として不織布)を着用しなければならない。但し、健康上やむを得ない理由があり、かつ、予め届け出て、常務会の承認を得た場合は、この限りではない。
第3条
対局者が第1条の規定に反したときは、対局規定第3章第8条冒頭各号の違反行為に準じる反則負けとする。但し、この反則負けには、同条第1項及び第3項は適用しない。
第4条
前条の反則負けの判定は立会人が行い、立会人がいない対局においては、対局規定第3章第9条第4項の順序に従い、立会人の任を代行するものが行う。この判定に不服がある対局者は、対局規定第3章第8条第6項に準じて、判定後1週間以内に、その内容を常務会に提訴することができる。

(対局規定抜粋)

【第9条】 立会人
対局におけるイベントや自動記録等の実施において、立会人を置く場合がある。
第1項
立会人は立会い当日において、対局におけるトラブル等発生時の裁定および処置の権限を有する。
第2項
対局者は、対局時のトラブル等発生時において立会人に裁定および処置を求めることができる。
第3項
対局者は、立会人の裁定および処置に従うものとする。
第4項
立会人を設置しない対局におけるトラブル等発生時は、棋戦運営部担当理事が立会人を代行し、裁定および処置を行う。棋戦運営部担当理事と緊急の連絡がつかない場合は、他の業務執行理事がその任を代行するものとする。

 昨今の社会情勢を鑑みた場合、対局中のマスク着用義務の有無については議論があるところ、所属する棋士・女流棋士には、高い公共性を求められる公益法人として政府の方針・基準に則った対応をする旨を定例報告会の場で示しております。今後につきましても、コロナ禍の最新状況を見極めつつ、同規定の改善や改廃について適切に判断して参ります。

 本対局の観戦を楽しみにして頂いておりました将棋愛好家の皆様には、このようなご報告となり心苦しい限りですが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。

(※1)【2023年1月12日追記】同対局開始前とありましたが、正しくは同対局開始後でした

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