7月2日(日)に行われた第30期竜王戦決勝トーナメント、佐々木勇気五段ー藤井聡太四段戦は101手で佐々木勇気五段が勝ちました。藤井聡太四段の連勝は29で止まりましたが、これは歴代一位の記録となります。関係者のコメントは以下になります。
- ◆佐藤康光日本将棋連盟会長・九段
- ここまで将棋界の枠を超えた注目が集まる中、14歳という若さで夢を与え続けてくれたことに感謝します。彼の棋士人生はまだ第一歩を踏み出したばかり。とてつもなく強くなってほしいと思います。
- ◆杉本昌隆七段
- 竜王戦本戦という大舞台を経験し、ここまで将棋界を盛り上げてくれたことに関し、師匠として、一人の棋士として「ありがとう」と言いたい気持ちです。連勝は止まりましたが、14歳の藤井四段はここからが本番。今までどおりの将棋好きの少年の気持ちを忘れずに。一喜一憂せず、次の記録に向かって精進してください。
- ◆母・藤井裕子様
- 勝負なので負けは仕方のないことだと思います。経験を糧にしてこれからも「強くなる」という目標に向かって進んでいってほしいです。
- ◆加藤一二三九段
- 藤井聡太四段の9七歩は好手でしたので一時互角になったように思いましたが佐々木勇気五段の五八玉がさらによい手だったので藤井四段側にはこれを凌ぐ手がみつからず、以後、佐々木五段側が好転し、本局は藤井四段の負けとなりました。
30連勝という、初の連勝記録大台達成は惜しくも実現なりませんでしたが、藤井四段の実力は中学生にしてすでに本物です。
14歳にして常に沈着冷静、強靱な精神力を備える藤井四段ではありますが他方でプレッシャーも無意識下には感じていたはずです。
ここで一旦気分を仕切り直していただいて真っ白な、気軽な気持ちになっていただき、
ここからまた新たな目標の達成に向けて今後はさらに伸びやかに、しなやかに、研鑽を重ねていただけたらと考えております。
長い棋士人生はいま、ここに始まったばかりです。
この先の勝ち星も敗戦も、そのすべてを御自身の力にかえて人々のこころに感動を与える棋譜を数多く紡いでほしいと願います。
超新星の誕生に湧く将棋界ですが平安時代より指し継がれる『将棋文化』が、大輪の花を咲かせることができるよう、偉大な後輩の成長からは、今後益々、目が離せませんね。
歴代の連勝記録の一覧
順位 |
棋士名 |
連勝数 |
年度 |
1 |
藤井聡太 |
29 |
2016~17 |
2 |
神谷広志 |
28 |
1986~87 |
3 |
丸山忠久 |
24 |
1994 |
4 |
塚田泰明 |
22 |
1986 |
4 |
羽生善治 |
22 |
1992 |
4 |
山崎隆之 |
22 |
2002~03 |
7 |
有吉道夫 |
20 |
1984 |
藤井聡太四段29連勝の対局について
|
対局日 |
対局相手 |
棋戦名 |
1 |
2016年12月24日 |
加藤一二三 九段 |
第30期竜王戦 6組(1回戦) |
2 |
2017年1月26日 |
豊川孝弘 七段 |
第43期棋王戦 予選(2回戦) |
3 |
2017年2月9日 |
浦野真彦 八段 |
第30期竜王戦 6組(2回戦) |
4 |
2017年2月23日 |
浦野真彦 八段 |
第67回NHK杯 予選(1回戦) |
5 |
同日 |
北浜健介 八段 |
同上(2回戦) |
6 |
同日 |
竹内雄悟 四段 |
同上(決勝) |
7 |
2017年3月1日 |
有森浩三 七段 |
第67期王将戦 1次予選(1回戦) |
8 |
2017年3月10日 |
大橋貴洸 四段 |
第48期新人王戦(2回戦) |
9 |
2017年3月16日 |
所司和晴 七段 |
第30期竜王戦 6組(3回戦) |
10 |
2017年3月23日 |
大橋貴洸 四段 |
第43期棋王戦 予選(3回戦) |
11 |
2017年4月4日 |
小林裕士 七段 |
第67期王将戦 1次予選(2回戦) |
12 |
2017年4月13日 |
星野良生 四段 |
第30期竜王戦 6組(4回戦) |
13 |
2017年4月17日 |
千田翔太 六段 |
第67回NHK杯 (1回戦) |
14 |
2017年4月26日 |
平藤真吾 七段 |
第43期棋王戦 予選(4回戦) |
15 |
2017年5月1日 |
金井恒太 六段 |
第30期竜王戦 6組(準決勝) |
16 |
2017年5月3日 |
横山大樹 アマ |
第48期新人王戦 (3回戦) |
17 |
2017年5月12日 |
西川和宏 六段 |
第67期王将戦 1次予選(3回戦) |
18 |
2017年5月18日 |
竹内雄悟 四段 |
第7期加古川青流戦 2回戦 |
19 |
2017年5月25日 |
近藤誠也 五段 |
第30期竜王戦 6組(決勝) |
20 |
2017年6月2日 |
澤田真吾 六段 |
第43期棋王戦 予選(決勝) |
21 |
2017年6月7日 |
都成竜馬 四段 |
第2回上州YAMADAチャレンジ杯(1回戦) |
22 |
同日 |
阪口悟 五段 |
同上(2回戦) |
23 |
同日 |
宮本広志 五段 |
同上(3回戦) |
24 |
2017年6月10日 |
梶浦宏孝 四段 |
第3期叡王戦 予選(1回戦) |
25 |
同日 |
都成竜馬 四段 |
同上(2回戦) |
26 |
2017年6月15日 |
瀬川晶司 五段 |
第76期順位戦 C級2組(1回戦) |
27 |
2017年6月17日 |
藤岡隼太 アマ |
第11回朝日杯将棋オープン戦一次予選(プロアマ一斉対局) |
28 |
2017年6月21日 |
澤田真吾 六段 |
第67期王将戦 1次予選4回戦 |
29 |
2017年6月26日 |
増田康宏 四段 |
第30期竜王戦 決勝トーナメント1回戦 |