第31回全国高等学校文化連盟将棋新人大会 開催報告

 標記大会が2023年2月9日から11日までの日程で、山梨県甲府市に隣接する昭和町の「アピオ甲府タワー館」にて開催された。47都道府県の代表は男子96名、女子87名で、昨年度は新型コロナ第6波の最中で辞退者が相次いだが、今大会では代表選手のほとんどが参加することができた。

 

 大会は昨年度に続いて2勝通過・2敗失格方式の予選の後、決勝トーナメントを行う形式を取った。男子は強豪がひしめき、これまでに実績のある選手や元奨励会員であっても上位進出は容易でない。決勝は滋賀県代表の南出陽向さん(立命館守山2年)と山形県代表・清野達嗣さん(寒河江1年)の対戦となり、角換わり腰掛銀で先手の清野さんが5八金型、後手の南出さんが6二金型の構えに。南出さんが先攻し、清野さんが反撃して激しい終盤戦を迎え、これを制した南出さんが優勝を果たした。
 女子は各地の研修会で腕を磨く選手が上位を占めた。決勝は広島県代表・川西彩遥さん(広島修道大ひろしま協創2年)と愛知県代表・岡村真秀さん(愛工大名電1年)との対戦となった。こちらは同じ角換わり腰掛銀でも4八金・6二金の同型に。中盤で川西さんが積極的な大捌きに出てこれが奏功し、一気に寄せ切って、昨年度の高校選手権に続く2回目の全国制覇を果たした。

 

 日本将棋連盟からは中川大輔八段、川上猛七段、山田久美女流四段、西室壮人奨励会初段にお越しいただき、指導対局や男女決勝の大盤解説をお願いした。中川八段は開会式のご挨拶のなかで、「どちらかが勝ちどちらかが負けてしまうが、参加者全員が力を出し切ることはできる。」と、爽やかにエールを送られた。ほとんどの選手は競技初日で敗退するが、最終日も大雪のなかを苦労して会場に来る選手が多かったのは、棋士の先生方のご指導を受けたいという思いがあったからと想像している。

 

 開催県のスタッフの皆様は大会を盛り上げようと半年以上前から入念にご準備くださった。大会当日は9年振りの大雪に見舞われたものの、無事に大会を終えることができたのは、ひとえに山梨県高文連将棋専門部の先生方のお陰と考えている。感謝の意に堪えない。
 次年度の全国新人大会は石川県金沢市にて、2024年1月25日から27日の日程で開催される。今度は北陸の雪を吹き飛ばすような熱戦を期待したい。

高等学校文化連盟全国将棋専門部事務局長
奥野元三(南山高等学校女子部)

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