王将戦は1勝3敗、棋王戦は1勝2敗と追い詰められていた藤井聡太竜王・名人でしたが、怒涛の5連勝で六冠を死守。底力を見せてダブル逆転防衛を果たしました。
第51期棋王戦コナミグループ杯五番勝負第5局
【第1図は△8六歩まで】
第1図は第51期棋王戦コナミグループ杯五番勝負第5局(▲藤井聡太棋王△増田康宏八段)。2勝2敗で迎えた最終局です。ここから▲5二金△6三玉▲4一角が「角筋は受けにくし」の寄せ。玉を角のラインに入れて、次の▲6一金が受けにくい格好です。△8七歩成と開き直りましたが、▲6一金△5四玉に▲2四飛が攻防の王手で、先手勝勢となりました。藤井棋王は第4局、第5局を連勝して4連覇を達成です。
写真:潤
ALSOK杯第75期王将戦七番勝負第6局
【第2図は△4六同馬まで】
第2図はALSOK杯第75期王将戦七番勝負第6局(▲藤井聡太王将△永瀬拓矢九段)。終盤戦に入ったところですが、竜を作って先手良しです。▲4九香が「下段の香に力あり」の好打。△3六馬に▲4四歩と取り込んで、香と角も利いて迫力満点です。実戦は△5五歩と受けましたが、▲4五桂が痛打になりました。以下は確実に先手が押し切って、決着は第7局へ。
写真:八雲
ALSOK杯第75期王将戦七番勝負第7局
【第3図は△3八馬まで】
第3図は王将戦第7局(▲藤井聡太王将△永瀬拓矢九段)。先手ペースの戦いですが、後手も千日手含みで指しています。一番遠い▲6九飛と逃げたいところですが、△4五桂打からうるさい攻めが続き、飛車が負担になりそうです。「玉飛接近すべからず」で▲5九飛が好判断。△4八馬で飛車が狙われますが、▲5八飛△同馬▲同金とさっぱりさせてしまえば駒得が大きい展開です。以下は的確にリードを拡大して先手快勝。1勝3敗と追い込まれていた藤井王将でしたが、フルセットの激闘を制して5連覇です。
写真:夏芽
ヒューリック杯第97期棋聖戦決勝トーナメント
【第4図は▲5六歩まで】
第4図はヒューリック杯第97期棋聖戦決勝トーナメント(▲藤本渚七段△伊藤匠二冠)。俊英が二冠に挑んだ一戦です。難しい競り合いを後手が抜け出し、勝ちに近付いています。△5七香▲4八玉△5八香成▲同玉△6八銀で「玉の腹から銀を打て」の形を実現し、先手玉を受けなしに追い込みました。
写真:琵琶
棋士編入試験第3局
【第5図は▲7七同桂まで】
第5図は棋士編入試験第3局(▲福間香奈女流五冠△生垣寛人四段)。9二の飛車が捕まっていますが手番は後手。△6七歩が「と金の遅早」の見切りでした。歩切れの先手は相手をするのも難しいので、▲9二成銀△6八歩成▲5三飛成△同銀▲6一飛と攻め合いましたが、△5六角▲2八玉△5八と▲1一飛成△2五桂が詰めろ逃れの詰めろで、後手がピッタリ一手勝ちです。福間女流五冠は二度目の編入試験挑戦でしたが、今回も新四段の壁が厚い結果となりました。
写真:武蔵