2026年度が開幕。名人戦、叡王戦、マイナビ女子オープン、女流王位戦とタイトル戦が始まりました。いずれも防衛側が白星発進となりましたが、挑戦者の巻き返しはあるでしょうか。
第84期名人戦七番勝負第1局
【第1図は▲7六飛まで】
第1図は第84期名人戦七番勝負第1局(▲糸谷哲郎八段△藤井聡太名人)。今期の名人戦は意表の初手▲1六歩から始まりました。▲8六飛と払われる前に△8七歩成が「金は斜めに誘え」の軽手。▲同金に△7五歩▲同角△7四歩▲4八角△8四銀と進め、8七の金を目標に攻めの態勢を作って後手ペースの戦いです。
写真:胡桃
第11期叡王戦五番勝負第1局
【第2図は△4八飛まで】
第2図は第11期叡王戦五番勝負第1局(▲伊藤匠叡王△斎藤慎太郎八段)。2年連続の対決となった叡王戦五番勝負。去年に続き一分将棋の競り合いとなりました。▲3四金△同銀▲同歩△同玉▲3二飛成△3三香▲5六角△4五銀▲2六金まで「玉は包むように寄せよ」が実現しました。3五、2三、4三と3ヶ所に銀を打つ詰みがあり、後手玉は必至です。△6九金から王手は続きますが先手玉は詰まず、伊藤叡王が先勝しました。
写真:琵琶
第19期マイナビ女子オープン五番勝負第1局
【第3図は▲4七銀引まで】
第3図は第19期マイナビ女子オープン五番勝負第1局(▲西山朋佳女流三冠△福間香奈女王)。図の数手前に△8七歩と垂らした手が好手で後手がペースをつかみつつあります。△5三銀▲8七金△5四銀直が「位を取ったら位の確保」で好形を作ることに成功しました。
写真:八雲
第37期女流王位戦五番勝負第1局
【第4図は▲8五歩まで】
第4図は第37期女流王位戦五番勝負第1局(▲大島綾華女流二段△福間香奈女流王位)。いま▲8五歩と桂を外したところですが、△8六桂が「要の金を狙え」の寄せ。単に△6八角成と飛車を取るよりも厳しい寄せとなっています。実戦は▲6七飛△7八桂成▲同玉△3七角成と、駒得しながら調子の良い寄せが続きました。以下も大島女流二段は粘り続けましたが、最後は敵陣に入ったところで寄せ切られました。
写真:飛龍
伊藤園お~いお茶杯第67期王位戦挑戦者決定リーグ紅組
【第5図は▲3二竜まで】
第5図は伊藤園お~いお茶杯第67期王位戦挑戦者決定リーグ紅組(▲永瀬拓矢九段△菅井竜也八段)。形勢は先手良しですが、後手も馬付き穴熊が「馬の守りは金銀3枚」と呼ばれるだけあって耐久力があります。さらに△5三角▲4一飛△1七角成▲1一飛成△5三馬と「馬は自陣に引け」で、2枚目の馬も引き付けて徹底抗戦。駒得の先手が指しやすいとは言え、後手陣は目のくらむような堅さに。粘りを見せた菅井八段が最後は逆転勝ちを収め、ここまでリーグ全勝だった永瀬九段を止めました。
写真:虹