福間と西山が百番指しを達成 1月下旬の注目対局を格言で振り返る

 福間香奈女流六冠と西山朋佳女流二冠が女流棋戦では2組目となる百番指しの偉業を達成しました。両者ともにタイトル戦の常連であり、まだまだ記録を伸ばすことでしょう。さらに福間女流六冠は2度目の棋士編入試験も始まり、重要な対局が続きます。

ALSOK杯第75期王将戦七番勝負第2局

【第1図は△2四同歩まで】

 第1図はALSOK杯第75期王将戦七番勝負第2局(▲藤井聡太王将△永瀬拓矢九段)。先手はどう攻め続けるかの局面です。▲6四歩△同銀に▲3五歩が好判断の攻め。後手の銀を使わせているようですが、5四の金を浮き駒にした意味で、△3五同歩なら▲3四歩△同銀▲2四飛で「飛車は十字に使え」の攻めが決まります。以下△2三銀は▲5四飛、△2三金も▲3四飛△同金▲4三角があります。実戦は△6九角成と7八の金に狙いを付けて飛車の動きをけん制しましたが、▲6三角△5三金▲4一角成とプレッシャーを掛けて、先手に分のある終盤戦になりました。


写真:武蔵

ユニバーサル杯第52期女流名人戦五番勝負第1局

【第2図は▲8八玉まで】

 第2図はユニバーサル杯第52期女流名人戦五番勝負第1局(▲福間香奈女流名人△西山朋佳女流二冠)。駒がたくさん当たっていますが、後手玉はこの瞬間安全で寄せるチャンスを迎えています。△4七飛成▲同金△7六銀成が「終盤は駒の損得より速度」の踏み込み。▲5二とにも△8五香で先に詰めろを掛けることに成功しました。以下は自然な寄せを続けて後手が押し切っています。


写真:武蔵

ユニバーサル杯第52期女流名人戦五番勝負第2局

【第3図は▲5六桂まで】

 第3図は女流名人戦第2局(▲西山女流二冠△福間女流名人)。両者の女流公式戦で100局目の対戦となった本局。次の▲4四桂を先受けする△2三玉が「玉の早逃げ八手の得あり」です。▲4四桂に△4三銀右と「桂先の銀」で受けて崩れません。形勢は後手良しですが、ここから先手も勝負手を連発し最後は逆転。挑戦者が開幕から2連勝としています。


写真:飛龍

第84期順位戦A級

【第4図は△4三同金まで】

 第4図は第84期順位戦A級(▲糸谷哲郎八段△永瀬拓矢九段)。全勝の永瀬九段と、1敗の糸谷八段の直接対決です。初手▲3六歩から糸谷ワールドの将棋となり、後手は時間を使わされています。▲4一銀が「玉は下段に落とせ」の放り込み。△同玉は▲6一飛上成からの寄せがあります。実戦は△6五歩に▲6一飛成△同角▲3二金△5一玉▲6五飛△6三歩▲5二銀打△同角▲同銀成△同玉▲4一角△5一玉▲6三角成と、盤面を制圧しながら後手玉を受けなしに追い込んでいきます。後手にもチャンスがある進行だったものの、時間切迫の中で下段に落とされる形では対応が難しく、糸谷八段が競り勝ちました。これで両者1敗で並び、挑戦権争いは最終局へ持ち越されました。


写真:駒町

棋士編入試験第1局

【第5図は▲3七同銀まで】

 第5図は棋士編入試験第1局(▲福間香奈女流六冠△山下数毅四段)。福間女流六冠の二度目の棋士編入試験が始まりました。先手は持駒が豊富ですが、後手の攻めが急所を突いて苦しい局面です。△5五角で「角筋は受けにくし」の形になりました。▲3八銀と踏ん張りますが、△3六歩▲同飛△4四桂▲3五飛△3六歩と、飛車と玉を目標に角のラインで寄せていきます。以下▲5五飛△3七歩成▲同玉△7三角と、角筋を生かした寄せが続き、一手一手となりました。


写真:夏芽

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