歌舞伎の聖地で佐藤名人と中村七段が激突。トークショーでは普段聞けない質問も?「第5回 歌舞伎の聖地で夢の対局」をご紹介!

歌舞伎の聖地である歌舞伎座で将棋のイベント「第5回 歌舞伎の聖地で夢の対局 ~歌舞伎座特別将棋対局~」が2018年12月1日に開催されました。今回は佐藤天彦名人VS中村太地七段の白熱した公開対局や戸辺誠七段飯野愛女流初段など出演棋士によるトークショーやミニ講座と内容が盛りだくさんだったイベントの模様をご紹介します。

本イベントには佐藤名人、中村七段、戸辺七段、飯野女流初段の四人が出演。前売りチケットは完売し、会場の歌舞伎座3階「花篭ホール」には100人近く女性ファンが集まりました。


会場となった歌舞伎座外観


イベントオリジナルのお菓子は将棋駒の上にサンタさんが乗っていた

佐藤名人VS中村七段 早指し対局

まず行われたのは、佐藤名人と中村七段の公開早指し対局。お二人はタイトル戦でも着用していた着物を身につけての登場となり、ファンからは喜びの声があがりました。


振り駒を務めた鈴木環奈女流二段。先手は中村七段となった。

「普段は二人とも居飛車ですが、今回は解説が僕だから空気を読んで振り飛車にしてくれるでしょう!」と戸辺七段の振り飛車を期待する解説に佐藤名人と中村七段は笑みを浮かべつつ居飛車を選択。互いに端歩を突き超す少し変わった角換わりの最新型となりました。


対局中、笑みがこぼれた佐藤名人。


中盤に考え込む中村七段

【図は▲7四銀打まで】

図は中村七段が▲7四銀打と指した場面。ここで佐藤名人は△5二銀打と守りを固めましたが、中村七段は構わず▲6三銀成!もちろん△6三同銀の一手ですが、ここで持ち駒にした金を活用する▲3七金打が好手。これで後手の角は詰みとなり、中村七段に形勢が傾きました。

終盤、佐藤名人が怒涛の攻めをみせますが、中村七段が上手く対応して勝利。中盤で奪ったリードを守りきる将棋となりました。


解説する戸辺七段と飯野女流初段

対局後は大盤を使った感想戦が行われました。「うっかり角をタダで取られてしまいました。あそこ(図)は△5二銀打ではなく△6二金でいい勝負でしたね。」と佐藤名人は悔しそうに振り返っていました。


大盤を使って感想戦を行う佐藤名人と中村七段

限定グッズが盛りだくさん!

歌舞伎座で開催されたイベントということで、千社札デザインのシール、かんざしなどの和をモチーフとした限定グッズが多数販売されました。グッズの中には佐藤名人と中村七段の好きな駒をモチーフにしたグッズも。佐藤名人の好きな駒は飛車、中村七段は変わった動きをするから桂馬が好きとのことでした。


手鏡やネックレスなど女性向けのグッズが多かった。


出演者のサイン色紙は抽選での販売となりました。

佐藤名人の好きな女性のタイプは?4人によるトークショー

佐藤名人など出演棋士4人によるトークショーでは休日の過ごし方、クリスマスの予定などのさまざまなテーマをもとに会場を沸かせていました。理想のクリスマスの過ごし方の質問に中村七段は「少し雪の舞う寒い日の待ち合わせ、人込みから彼女を見つけだしてデートする、みたいな定番の過ごし方に憧れますね」と回答。でも実際は対局の予定が入ってしまって実現はできなさそうとのことでした。

好きな女性のタイプを聞かれた佐藤名人は「ルイ15世の公妾であるポンパドゥール夫人みたいな人がいいですね。話したら楽しそうですし」と答え、まったくイメージが湧かないと戸辺七段からツッコみを入れられ会場は笑いに包まれました。(*ちなみにボンバドゥール夫人は1721年にフランスで生まれた国王の公式の愛妾で、政治などに深くかかわっていたと言われています。)

戸辺七段&飯野女流によるミニ講座

トークショーが終わると佐藤名人、中村七段の二人の撮影会が行われました。また、撮影会の順番待ちをしている時間に戸辺七段と飯野女流初段によるミニ講座が開催され、「指導対局に参加してみたいけど、指し方が分からない。」というファンのために駒落ち対局の注意ポイントを丁寧に指導していました。


8枚落ちから4枚落ちまでわかりやすい講座でファンからも好評でした

おわりに

今回で5回目の開催となった歌舞伎コラボイベントは終始会場から笑いが絶えず、棋士との距離も近いアットホームなイベントで大盛況のうちに幕を下ろしました。ファンの方は8割以上が女性で将棋をあまり指したことがない方ばかりだったので、将棋初心者の方でも気軽に参加できますよ。気になった方はぜひ次の開催時に参加してみてください!

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