第29期竜王戦第1局 イベントレポート

更新:2016年10月19日 15:45

第29期竜王戦第1局が、京都の名刹、大本山天龍寺で、10月15、16日の両日にわたって行われました。
天龍寺は、戦前の昭和12年、南禅寺での坂田三吉対木村義雄戦とともに、坂田対花田長太郎戦が30時間の持ち時間で戦われた場所として有名で、今年は対局から80年の節目の年にもなっています。対局の実施に至るまでは天龍寺の関係各位にご理解と全面的ご協力をいただきました。この場をお借りして御礼申し上げます。

15日の初日には、対局室となった天龍寺の友雲庵(ゆううんあん)書院和室に、対局関係者や初日のイベントに参加の方々約50名が、渡辺明竜王と挑戦者の丸山忠久九段の入室から、初手までを観戦されました。
注目の振り駒は、天龍寺の田原義宣宗務総長が行い、シリーズ七番勝負は丸山九段の先番で開幕しました。

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写真左:駒を並べる両対局者を撮影する報道陣と見守るイベント参加者
写真右:田原宗務総長の振り駒は「と金が4枚」で丸山九段の先手番に決まる

対局室のある友雲庵から徒歩で3分の、いかにも京都の風情を感じる、小倉百人一首殿堂・時雨殿(しぐれでん)で、初日のイベントは行われました。2階の120畳ある和室の一画をお借りし、谷川浩司九段の講演、参加棋士による指導対局、立会人も交えての大盤解説が行われました。休憩時間には和室に展示された平安時代の和服を鑑賞し、晴天に恵まれたこの日の窓外は桂川を臨め、参加された方30名は、日本情緒を充分に満喫されたことと思います。

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時雨殿・谷川浩司九段の講演は坂田対花田戦を振り返り、また、トップ棋士の対局に臨む心境などをメインとして進み、質疑応答も行われた

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写真左:時雨殿・指導対局はいずれも3面指しで行われた。写真は佐藤康光九段
写真右:時雨殿・写真は天龍寺対局実施の責任者でもある青野照市九段の指導対局

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時雨殿・ともかく笑いの絶えない福崎文吾九段と井上慶太九段(立会人)の解説

イベントに参加された方達は夕方6時の封じ手を観戦され、「楽しかったですが、緊張して疲れました」の感想がありましたが、心地よい充足感があったかと思います。

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緊張感漂う中、渡辺竜王の封じ手を待ち見守るイベント参加者

16日の2日目は前夜祭や対局者の宿泊先でもあった京都ホテルオークラで、大盤解説会とイベントが行われました。
緊迫した展開の将棋のため、「終局が早まるのでは」の声が多い中、受付開始の午前10時には100名近いファンの方の行列ができ、最終的には200名を超える方にご参加いただきました。初日とあわせ、ご参加いただいた皆様には改めて御礼申し上げます。

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オークラ・佐藤康光九段の色紙サイン会

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写真左:オークラ・稲葉陽八段の多面指し指導対局
写真右:オークラ・斎藤慎太郎六段の多面指し指導対局

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写真左:オークラ・200名が対局の推移を見守る大盤解説。福崎九段と室谷由紀女流二段
写真右:オークラ・解説の佐藤九段と聞き手の室田伊緒女流二段

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