詰めろ?必死?今さら聞けない将棋の基本用語9+5。

詰めろ?必死?今さら聞けない将棋の基本用語9+5。

ライター: 佐藤友康  更新: 2017年01月06日

将棋を指したり、観戦・解説を見たりしたときに、当然のように「将棋用語」が使われますが、あなたはどのぐらい理解していますか? 将棋用語を覚えることで、より将棋が身近なものになり、あなた自身もより将棋通に近づいていきます。このコラムでは、将棋を指す・棋戦を見る・タイトル戦を見ることに分けて用語を解説していきます。

将棋を指すときに必須となる用語

将棋を指すときに・・・の「指す」というのも、将棋用語です。このコラムでは、将棋に触れていく中で避けては通れない、基本となる将棋用語を5つ、対局の中で出てくる重要用語9つをお伝えします。これを覚えれば、一通り将棋を指していて疑問に思うことはなくなります。中級者以上の方にとっては、既にご存知なものばかりかもしれませんが、あらためて基本をおさらいしておきましょう。

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最重要!必須用語5つ

まずは、これを知らないと将棋の会話がしづらいと感じる、5つを必須用語としてご紹介します。将棋を少しでも触れたことがある人なら、全て知っているものです。

1)指す
駒を動かすこと全般を「指す」と言います。囲碁は「打つ」と言いますが、将棋で「打つ」と言うと、持ち駒を使うという意味合いになります。「動かす」というと、盤上の駒を使う意味合いになります。

2)持ち駒
相手の駒を取り、自分のものとして持っている駒のことを「持ち駒」と言います。持ち駒は駒台の上にキレイに並べ、相手にも自分にもわかりやすくしておくことが将棋のマナーです。

3)成る
相手の陣地に入り、駒を裏返してパワーアップさせることを「成る」と言います。「成り」と言うのも同義です。飛車が竜になるように、成った駒は名称が変化しますが、総称して「成り駒」と呼びます。また、成れる状態なのにあえてならなかった時には、「不成(ならず・ふなり)」と呼び分けます。

4)王手/詰み
駒の利きを玉に当てて、次に玉を取れる状態にすることを「王手」と言います。どうしても王手が防げなく、どうしようもなくなってしまった状態を「詰み」と言います。将棋は、この「詰み」を目指すゲームです。

5)投了
詰まされた側が、負けを口に出して相手に伝える、負けの宣言のことを「投了(とうりょう)」と言います。もう勝てないなと感じてしまったりすれば、詰まされる前でも投了は可能です。

対局基本用語9つ

続いて、対局の解説を聞こうと思ったときに、これを知らないと将棋が理解できないだろうなと感じる、9つを対局基本用語としてご紹介します。

1)居飛車/振り飛車
飛車を初形の位置のまま使うことを「居飛車」と言います。居飛車に対して、序盤早々に玉の左側に飛車を移動させて使うことを「振り飛車」と言います。居飛車を多く指す人のことを「居飛車党」、振り飛車を多く指す人のことを「振り飛車党」と呼びます。

2)切る
飛車・角の大駒を捨てて敵陣へ攻め込むことを「切る」と言います。金や銀など、大駒よりも価値の低い駒と交換することも「切る」と言います。駒損はするものの、それ以上の戦果が見込めるときには、切ってでも攻めていきたいものです。

3)囲い/玉形
玉を守るための守り駒の形のことを「囲い」と呼びます。似たような意味で、「玉形」とも言われます。玉形の方がやや広い意味で、玉を含めた駒の位置のことを表しています。

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4)定跡
昔から実戦や研究で深くまで探求されていたりする、手順のことです。主に序盤の駒組みから中盤の仕掛けあたりまでのことを指します。

5)両取り
1枚の駒の利きで2枚の駒を狙うことを「両取り」と言います。2つは同時に受けづらいので、両取りをかければ駒得が確定します。基本的には良い手です。

6)詰めろ/必死
次に何もしなければ詰ませられる状態にあることを「詰めろ」と言います。詰めろをかけられてしまうと、受けに回るか相手を詰ませることを考えるよりほかありません。なお、どうやっても解除できない詰めろのことは「必死」と呼びます。「必至」とも書きます。

7)持ち時間/秒読み
対局中に考慮できる時間のことを「持ち時間」と言います。持ち時間が無くなると、多くの場合は1手30秒や1手1分などの決められた時間内に指す「秒読み」のルールに移行します。

8)振り駒
対局の先手後手を決める際に用いられる、歩を5枚振って駒の表裏の枚数でどちらが先手か後手かを決める方法です。一般的には、上位者が振り駒をします。

9)感想戦
一局が終わった直後、対局相手と検討することを「感想戦」と言います。負けた側の反省会ではなく、お互いの技術の研鑽のため、手の内を見せ合って検討するのです。将棋は感想戦を指すからこそ強くなります。

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将棋用語を覚えればあなたも本格的な将棋ファンに仲間入り

さて、いかがでしたでしょうか。必須用語5つと対局基本用語9つを簡単にご紹介しました。少し専門的な用語で話をするようになると、一気にその世界に溶け込んでいきます。将棋を指したり、感想戦をしたりするときにも、今回ご紹介したような用語を使っていきましょう。習うより、使って慣れていく方が身に付くのが早いです。
次回の将棋用語は、プロ棋士の対局観戦の際に出てくる言葉をご紹介していきます。棋譜速報やタイトル戦の中継ブログがより面白くなること請け合いです。次回もぜひ、お楽しみに!

写真は王座戦中継ブログより引用

佐藤友康

ライター佐藤友康

3歳から将棋に触れ、将棋とともに幼少期を過ごすものの、途中、長い長いブランクを経て、27歳で将棋復活。 2015年4月より、池袋で20代・30代に向けた将棋普及活動『将Give』を主催・運営する。 将棋の楽しさ・面白さ・奥深さに深く感動し、将棋普及と将棋を通じた社会貢献・人間的な成長の応援を使命とする。

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